世界有数の金融・投資関連企業であるゴールドマンサックス(Goldman Sachs)のアナリストらは、クライアントへの報告の中で、ビットコイン(BTC)半減期の影響とその後の値動きについての見解を示しました。
彼らは半減期の影響を限定的にとらえており、むしろその他の経済的要素を重視しているようです。
半減期の影響は予測を下回る可能性
ゴールドマンサックスのアナリストは、ビットコインの半減期サイクルの影響について、過度に評価しないように注意喚起しています。
歴史的傾向では、半減期を迎えるとビットコインにはプラスの作用が働き、強気市場の引き金にもなってきました。しかし4月20日に予定される半減期が、「噂で買って事実で売る(buy the rumor , sell the news)」の状況を引き起こすとしても、ビットコインの中期的見通しからすれば、それほど重視すべきではないという見解のようです。
それよりも最近の市場においては、需要と供給の力学のほうが重大だと言えます。ビットコイン現物ETFへの興味と需要の高まりに加えて、暗号資産(仮想通貨)市場の内省的な特性が、価格と将来的な見通しに強く作用するというわけです。
オンチェーン分析企業クリプトクワント(CryptoQuant)のアナリストらも、4月初めに同様の見解を示しています。彼らによると、すでに半減期は強気市場における主役ではなくなっており、大口投資家による需要増や縮小する供給などの要素こそが、ビットコインの価格上昇の推進力になるということです。
マクロ経済の影響には要注意
ゴールドマンサックスのアナリストは、インフレなどのマクロ経済的要素が、今回の半減期に重大な影響を及ぼす可能性があると見ており、「それぞれのマクロ的状況を考慮すれば、過去のサイクルや半減期の影響をもとに今後を推定することには注意すべきだろう」と述べています。
現在の経済状況が高いインフレ圧力と高金利にさらされているため、今回の半減期サイクルは過去のパターンとは異なる可能性があります。過去と同様に半減期が強気市場を引き起こすためには、マクロの状況がリスク投資に賭ける投資家を支持する必要があるでしょう。
現在アメリカ経済は高インフレに直面しており、一方では5%を超える高金利が継続しています。こうした状況がビットコインの市場力学に圧力をかけるかもしれません。しかし多くの市場関係者が、ビットコインを強力なインフレ・ヘッジであると同時に、上昇するインフレ圧力に対する希望の灯りと見ていることも事実なのです。
参考
・Goldman Sachs On Bitcoin Halving: ‘It doesn’t Matter If It’s A Buy The Rumor, Sell The News Event’
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