米国最古の銀行BNYメロン(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)は、ビットコインを始めとする仮想通貨(暗号資産)のカストディ(保管)サービスへ参入。ビットコインなどの保管や送金をBNYメロンのクライアントに提供するという。2020年に米国では「仮想通貨銀行」の設立が認められており、アンカレッジ(Anchorage)は仮想通貨で初となる国家憲章の付与を付与されていた。
BNYメロンの仮想通貨カストディ参入
BNYメロンは米最古の銀行であり受託資産は1兆3,000億ドル(約136兆円)にものぼるカストディバンク(保管銀行)だ。WSJの報道によると、BNYメロンは既に仮想通貨カストディサービスについてクライアントと話し合いを行っており、アセットサービス及びデジタルビジネスの最高責任者であるRoman Regelman氏は「仮想通貨は金融資産のメインストリームの一部へとなってきている」と述べている。
機関投資家やヘッジファンドが注目するビットコイン
またRegelman氏によるとビットコイン価格が高騰し500万円を記録したことで、ウォールストリートのアセットマネージャーやヘッジファンド、機関投資家が仮想通貨に注目をしているという。これらの機関投資家やファンドのトップはBNYメロンにビットコインやイーサリアムなどの直接的な投資を行うため、仮想通貨の取扱いを訪ね始めていると述べている。
BNYメロンのような銀行だけでなく、管理資産7兆ドルを誇るフィデリティは一足早く2019年にカストディサービス及びOTC取引を提供している。
仮想通貨カストディ提供は年末予定
フィデリティの例を見ると、ニューヨーク州でビットコインカストディサービスを提供するには、規制当局からの承認が必要になる点に注意が必要だ。WSJによるとBNYメロンの仮想通貨カストディサービスの提供開始は年末を予定している。BNYメロンはカストディサービスを開始すると、多くのクライアントがビットコインやイーサリアムなどの運用している仮想通貨を預けると見越しているという。
Regelman氏の計算では、既存金融のウォールストリートが投資資産として仮想通貨を採用するには3~5年かかるとしており、これら起こる日が来るだろうと述べている。ビットコインに代表される仮想通貨は、米国ではまだETFのような機関投資家や大口投資家が気軽に投資を行う商品が少ないのが現状だ。
これらのカストディがより一般的になり、ファンドがビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を銀行に安心して預け入れられるような環境整備により、米国初のビットコインETFの承認の確率が上がっていくことになるだろう。
▼墨汁サロンではイーサリアム2.0の最新動向や32ETHステーキングのやり方の解説や検証、テクニカル分析理論、最新のDeFiやファンダメンタルなどをより深く解説しています。