3月下旬から4月上旬にかけて、ビットコイン(BTC)先物取引における基準価格は力強い回復を見せ、再び市場心理は前向きに転換しました。数か月におよぶ下落があったのちに回復傾向となったことから、市場では歓迎ムードが高まりました。
しかし、この回復傾向は短期的なものであった可能性が高く、4月中旬には先物基準価格は急激な下落に陥っており、投資家たちの努力もむなしく1年ぶりの底値に向けて下落しつつあります。
ビットコイン先物基準価格が1年ぶりの底値に
ビットコインの市場価格が再度30,000ドル(約386万2,500円)台にまで下落したことは、先物基準価格にも重大なインパクトを与えました。そして、投資家心理が全体的に後ろ向きとなったことで、先物基準価格は3月下旬に積み上げていた上昇分を一気に失ったうえ、さらに下落傾向も続いて1年ぶりの底値に向かっています。
先物基準価格が現在と同水準にまで下落したことは、過去に2回ほどありました。最初は2021年7月20日のことで、この下落による大量清算で損失を被った個人投資家たちが、利益を取り返すためにショートを相次いで行い、ショートスクイーズが発生しています。
次の下落は2022年2月18日に起きましたが、前年7月20日のレベルに下がる前に回復し、その後2022年4月には最高値にまで上昇しています。この時は7月20日とは異なり、その後のビットコイン価格は持ち合いの状態が続きました。
前例と現在の市場は不安定ではないことを鑑みて、今回の先物基準価格下落から今後どのような事態になるか、予測することは非常に難しいと思われます。
ビットコイン価格にはプラスの影響?
ビットコインは37,000ドル(約476万3,800円)レベルに下がってから、緩やかで堅実な回復基調にあります。40,000ドル(約515万円)を超えると、すぐに価格の維持が難しくなるという傾向はありますが、ここ最近の市場における価格回復は、ビットコインにとっては良い結果であると言えるでしょう。
また、先物基準価格の下落という事例を考慮すると、今の回復基調はビットコインにとってかなり明るい材料かもしれません。前年7月20日の後に起きたショートスクイーズは、仮想通貨市場を大規模な強気トレンドに押し上げることとなり、11月の64,000ドル(約824万円)という史上最高値につながっています。
また、規模は小さいものの、2022年2月の下落時にも価格の回復トレンドが見られました。停滞気味な最近の傾向からすると、強気傾向に移行するまでに、もう1週間程度は先物基準価格の下落が続くかもしれません。
【参考】
・Bitcoin Futures Basis Nears One-Year Lows, How Will This Affect BTC?
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