イーサリアムのEIP1559概要とマイニングプールの反応

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イーサリアム(Ethereum)を使う際に手数料にあたるガスの料金が高くなかなか気軽に使えない時期もあるのが現状です。この事は、ETHを送金したりイーサリアム上に構築されたゲームやDeFi(分散型金融)などを利用したことのある方はご存じだと思います。

最近ガス代の高騰に対する解決策として話題に上がるのがEIP1559というイーサリアムの改善提案です。イーサリアム考案者のヴィタリック・ブテリン氏とエリック・コナー氏によって2019年4月に提案されたものです。この提案はトランザクション手数料の計算モデル変更に関するものですが、それにともなうETHの長期的な価値についても議論が活発に行われています。

イーサリアムの手数料にまつわる問題

ウォレットを使った送金をしたことがある人はご存じの通り、利用者は送金するたびにガス代をいくらに設定するか決めることができます。使用しているウォレットによっては、その時に適切なガス代を算出してくれたり、急ぎ・普通・安さ優先などの段階から選べたり、利用者が自分で細かく設定できたります。

今のイーサリアムでは高いトランザクション手数料を払うほど早くブロックに取り込まれるというオークション形式が採用されているからです。ですが、問題点としては、利用者が最適な手数料がいくらかを確認しないといけないことや、需要によって大幅に上下しやすいのでウォレットプロバイダが最適な手数料を自動計算しにくいことなどが挙げられます。

イーサリアムの手数料モデルを変更するEIP1559とは?

EIP1559は、このガス代の問題を解決することが期待されている提案で、①ベースフィー (基本手数料)の仕組みの導入と②ベースフィーで支払われたトランザクション手数料のバーンの2つが含まれます。

基本手数料の仕組みとしては1ブロックあたり800万gasをターゲットにして常に変動し、あるブロックでのガス代が900万gasだった場合、次のブロックでのベースフィーは上昇します。逆に、あるブロックで500万gasしか消費されていない場合、次のブロックのベースフィーは減少します。

1ブロックあたりにベースフィーは8分の1しか増減しないため、手数料の変化が今より緩やかになるははずで予測しやすくなるだろうと予想されます。

これまでユーザーの手数料は全てマイナーの報酬になっていましたが、この仕組みが実装されれば手数料の大部分がバーンされて、プレミアムのみがマイナー(バリデーター)に支払われるようになります。

マイナーの反応

マイニング大手のスパークプールはこれに反対の立場を示しています。一方で同じくマイニング大手のF2Poolは賛成の立場を表明しており、先日公開されたブログの中で、「歴史的に見ても、コアユーザーやコントリビューターを味方しないことの弊害については、すでにコストのかかる教訓を与えられています」と、利用者や開発者に支持される変更はサポートすべきだとの考えを示しています。

また「EIP1559が必要だと考えるもう一つの理由は、市場の期待があるからです。EIP1559は、今日のETH価格に反映されている可能性が高いです。(中略)提案が実施されなかった場合ETHの短期価格への影響は好ましくないと考えられます」。

実装される時期はかなり先になりそうですが、引き続き注目したいトピックの一つです。

参考
Staying on the (b)right side of history: EIP-1559

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