イーサリアム2.0のクライアント「プリズム(Prysm)」によると、Epoch32302から約2時間の間ブロックを提案することができなくなった事象を確認したという。現在は正常にブロックをBeacon Chainのスロットに提案できている。
Beacon Chainへのブロック提案不能へ
次世代ブロックチェーンを担うイーサリアム2.0のメジャークライアントのPrysmは、Epoch32302から18Epochほどイーサリアムバリデータがブロックを提案できなくなったトラブルを確認。1Epochが32スロットであるため、約2時間ほどブロック提案が不安定になったということになる。
今回のPrysmのトラブルは、別のETH2クライアントのデベロッパーなどから報告があり、約50%の提案されたブロックがスロットに提案できないというものだ。実際にEpoch32303を確認すると、スロットのブロックステータスが「Missed」となっており、スロットにブロックが提案されていない「スキップブロック(Skip-Block)」という状態になっていることが分かるだろう。
Prysmのブロック提案トラブルの原因
今回のPrsymでブロック提案ができないトラブルは2021年1月にも報告されており、「デポジットルートのデポジットマークルブランチがルートを検証できません」というものだった。
しかしこの報告以降、誰も同様のエラーを再現できなかったことから、一度限りのトラブルであると考えられていた。だが今回はPrysmクライアントで実際にBeacon Chainのメインネットデータでブロック提案を再度検証してみたところ、同様のエラーを再現することができたという。
ブロック提案バグの影響
このPrysmのバグの影響はブロック提案だけにとどまらず、ファイナリティを決定するためのアテステーション(署名)にも影響したことで、一時的にEpoch32319のバリデータ参加率が84.8%に下落したことが分かる。しかし平均で90%前後にとどまったことで、Casper FFGを再起動する閾値まで下がっておらず、ペナルティを受けて登録解除されるスラッシュされたバリデータは出ていない。
一時的にアテステーション報酬とブロックプロポーズ報酬が少なくなったという影響を受けたものの、攻撃などが原因ではないという。イーサリアム2.0のクライアントはPrysm以外にもLighthouseやNimbusなど場合によって切り替えられるように準備をしておくといいだろう。
▼墨汁サロンではイーサリアム2.0の最新動向や32ETHステーキングのやり方の解説や検証、テクニカル分析理論、最新のDeFiやファンダメンタルなどをより深く解説しています。