実行レイヤーにおけるイーサリアム全開発者会議160が4月27日に行われ、4月13日に完了したシャペラ(上海)アップデートの次に控えているカンクン(Cuncun)アップデートで実装されるEIP(イーサリアム実装改善案)が決定した。このカンクン実装ではロールアップを採用したイーサリアムのL2をより加速するEIP-4844「プロトダンクシャーディング(Protodank Sharding)」がメインとなり、他に3つのEIPが実装される予定だ。
関連記事:【墨汁速報】12000件を超えるETH引出し イーサリアム「シャペラ(上海)」アップデート完了
イーサリアム「カンクン」アップデートのEIPが決定
イーサリアム全開発者会議160では実行レイヤー(元イーサリアム1.0)におけるカンクンアップデートに含むEIP(イーサリアム実装改善案)について話し合いが行われた。カンクンアップデートでは前回のシャペラにおけるステーキングされたETHの引出し実装を行うEIP-4895と同様に大規模実装となるEIP-4844「プロトダンクシャーディング(Protodank Sharding)」の正式実装をすることが決定した。
このプロトダンクシャーディングはイーサリアム上に新たなネットワークとして展開されるL2のアービトラム(Arbitrum)やオプティミズム(Optimism)などのロールアップ(Rollup)技術を採用したネットワークをより使いやすくする特別な実装を指す。
ETH速報:イーサリアム全開発者会議160にて上海(Shapella)アップデートの次となる「カンクン(Cancun)」にてEIP-4844「Protodank Sharding」が正式に実装することを決定。
— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) April 29, 2023
ConesysのzkEVM"Linea"も来ますし、2023年のイーサリアムはRollupの時代確定ですhttps://t.co/Ko8EV1Foyu#仮想通貨 #暗号資産
他にもカンクンでは、
EIP-1153:一時的なストレージオペコードの追加
EIP-6475:任意の値を表す新規のSSZタイプの追加
EIP-6780:オペコードSELFDESTRUCTの変更
が決まっている。
関連記事:ETH投資家がやるべきことは?イーサリアム「シャペラ(上海)アップデート」目前の確認事項
イーサリアムが着実に進化
2023年に入って仮想通貨のトレンドはロールアップを採用したL2に移行しており、米仮想通貨取引所のコインベースがOPトークのエアドロップで話題となったオプティミズムと提携してイーサリアム上にベース(BASE)をテストネット展開したことも記憶に新しい。
カンクンアップデートを経てEIP-4844が実装されるとこのムーブメントがより加速し、2020年から2021年にかけてのEVM経済圏とは異なる巨大ネットワークへと進化を遂げることになる。またこのEIP-4844は将来的なイーサリアムチェーンを複数に分割して並行ネットワークとするシャーディング(Sharding)との後方互換を持つため、ロールアップでスケーリングしつつ将来への布石となる重要なアップデートであるということだ。2023年もイーサリアム周りの開発動向から目が話せないと言えるだろう。
関連記事:【墨汁速報】対象者は?イーサリアムL2「アービトラム」待望のARBエアドロップを発表
▼墨汁サロンでは投資家向けに知られていないDeFiやNFTのセキュリティ対策、イーサリアム2.0の仕組みや技術、マージ対応の32ETHステーキングのやり方の解説や検証、テクニカル分析理論、ファンダメンタルなどをより深く解説しています。