「投資マネーの流入で仮想通貨市場が拡大」米投資大手バーンスタインの最新予測

米国の大手投資企業バーンスタイン(AllianceBernstein)社のアナリストは、既存の金融機関の損失が増えると、それらはすべてビットコイン(BTC)の利益になるとして、今後ビットコインが強気に向かうという予測を発表しました。

注目すべきはセルフカストディ

富裕層に資産運用サービスを提供する、バーンスタイン社のプライベート・ウェルス・マネジメント部門は、米国での金融危機が触媒となり、最終的にはビットコインが市場のメインストリームになると予測しています。

同社のアナリストは、銀行の災難が新しい暗号資産(仮想通貨)サイクルを生み出し、セルフカストディ・ウォレットへの巨額の資産流入が起きるだろうと述べています。

米ニュース専用チャンネルCNBCの取材に対して、バーンスタイン社のアナリストであるゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏とマナス・アグラワル(Manas Agrawal)氏は、「投資家は安全な資産の保管場所として、オンチェーンのデジタル・ウォレットに注目するようになり、新しい仮想通貨サイクルが形成されるだろう」と述べました。

さらに両氏は、「米国債レートと銀行預金レートとのギャップが銀行からの資産流出を招き、銀行の弱い財務状況も相まって、金融市場への大規模な資産の流入が起きるだろう」とも推測し、「銀行を救うために、FRB(米国連邦準備制度理事会)はドル安と新規貨幣発行に頼らざるを得ず、その結果再びビットコインはデジタル・ゴールドの役目を果たすようになる」と述べています。

強気相場を予測する業界の展望

バーンスタイン社のアナリストは、2023年にセルフカストディ・ウォレットの拡大と成長が見込まれることも予測しており、同様にDeFi(分散型金融)でも、個人投資家と機関投資家の参入が増大すると見ています。

バーンスタイン社は最近の仮想通貨市場の展望に期待を見せており、4月のはじめにはFTXの破綻が、直近の仮想通貨価格の上昇をもたらしたという見解を示しました。

ほかにも仮想通貨の投資家は全般に、2023年のこれまでの市場を肯定的にとらえています。ビットコインの価格は年初来およそ75%上昇して、29,000ドル(約388万6,000円)前後で取り引きされるようになり、ボラティリティに注意を促す声はあるものの、市場には楽観的な声が多くなりました。

今週初め、スタンダード・チャータード銀行(Standard Chartered)のリサーチャーは、いわゆる仮想通貨の冬は終わったと明言しました。同行のデジタル資産調査部長のジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は、2024年末までにはビットコイン価格が10万ドル(約1,340万円)に到達すると予測しています。

参考
Bernstein Private Wealth Management Says “Buy Bitcoin”

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