IMFがグローバルで包括的で協調的な仮想通貨の規制を求める

国際通貨基金(IMF)は、デジタル資産が一部の国の金融の安定を脅かしており、グローバルな包括的かつ同期化された暗号資産(仮想通貨)の規制を求めています。IMFは12月9日に掲載した記事の中で、時価総額約2.5兆ドル(約280兆円)の仮想通貨市場は従来の金融システムとより深く相互に結び付いており、特定の国でシステミックな金融安定上のリスクを引き起こす可能性があると警告しました。

「暗号資産化(Cryptoization)」によって急激に通貨代替リスク高まる

IMF当局者は「一部の新興市場や開発途上国は、暗号資産いわゆるその「暗号資産化(Cryptoization)」を通じて、より急速かつ急激な通貨代替のリスクに直面している。資本フロー管理の対策は、暗号化に直面して微調整する必要に迫られている」と分析しています。当局者はさらにまた、仮想通貨市場の国境を越えた特質は、法執行の任務がより困難になっているとして、「調整されていない規制措置により、資本フローが不安定化になる可能性がある」と述べています。

「暗号資産化」とは聞き慣れない言葉ですが、発展途上国などでは加速する可能性があり、暗号資産が国内通貨に取って変わって、為替規制や資本勘定管理措置を回避するようになることです。

仮想通貨取引所はライセンスを取得、ユースケースに合わせて調整

IMF当局者によると、仮想通貨プロバイダー(いわゆる仮想通貨取引所など)はライセンスを取得する必要があり、規制上の諸要件は仮想通貨プロジェクトのさまざまなユースケースに合わせて調整される必要があるとしています。

例えば投資目的のサービスあるいは商品は、「証券監督当局が監督する証券ブローカーやでディーラーと同様の要件を満たさなくてはならない」と規定されます。また「決済のためのサービスと商品は、中央銀行もしくは決済監督当局が監督する銀行預金と同様の要件を満たすべきである」とも述べています。IMFはさらに、暗号資産へのエクスポージャー(リスクにさらされている割合や総額)に制限を設ける規制当局機関に対する明確な要件を求めています。

「金融の脆弱性は高くリスクが残存」とIMFの年次報告書の総括

IMFは10月に公表した「国際金融安定性報告書」と題するリポートの中で、仮想通貨には依然として消費者保護の面でのリスクの大きいと主張しています。

またその中でIMFは、仮想通貨が持つ国際的な特徴にいて言及した上で、政策当局者の国境を越えた連携を拡充する必要を強調しています。IMFに課せられた役割は、国際通貨金融システムの安定性を確保するとしながらも、暗号資産はそのシステムを根底から変化させつつあるとして、暗号資産の世界的規制は、包括的かつ一貫性があり協調的であるべきだと主張しています。

参考
Global Crypto Regulation Should be Comprehensive, Consistent, and Coordinated
Crypto Boom Poses New Challenges to Financial Stability

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