インド政府が仮想通貨規制を明確に決定
これまで報じられてきた内容とは異なり、インド政府は暗号資産(仮想通貨)を全面禁止にするのではなく、国内の仮想通貨市場を規制する方向にあるという見解を表明しました。インドの国内メディアは、12月の第2週中には新たな仮想通貨法案が承認される可能性があることが報じています。
インド政府が公表した閣議決定書によると、新しい仮想通貨法案にはいくつかの改正条項が加えられることになります。
まずインド国内において、現在は仮想通貨を法的な通貨として認めていないということが明記されました。また法律上では、これまでの呼び名であった仮想通貨(crypt ocurrency)ではなく「暗号資産(crypto aseets)」と呼ばれることになります。個人で所有する仮想通貨に対しては、政府による禁止は行わないものの、国内すべての仮想通貨はインド証券取引委員会(Securities Exchange Board of India:SEBI)による規制が行われる形になるとのことです。なお、インド準備銀行(Reserve Bank of India:RBI)が開発を進める中央銀行デジタル通貨(CBDC)については、新法案では触れられていません。
規制違反者には多額の罰金も
国内の仮想通貨保有者には、規制下にある仮想通貨取引プラットフォームにて所持するよう、最後通告が行われることになります。規制を破った場合には、最大18ヵ月に及ぶ懲罰と、5千万ルピー(約7,550万円)から最大2億ルピー(約3億200万円)という多額の罰金が科せられることになります。
インド仮想通貨法案の起草者で元財務長官のサブハッシュ・ガーグ(Subhash Garg)氏も、仮想通貨とブロックチェーン技術のポテンシャルを強調しており、仮想通貨全面禁止の可能性に関しては否定しています。ガーグ氏は「仮想通貨法案に関する記述はおそらく間違いだった。個人の仮想通貨利用は禁止になると発言したことや、政府に対して同様に働きかけるといった内容は誤解を生んだかもしれない」と述べました。ガーグ氏の考えとしては、仮想通貨保有者や投資家との協議を経た上で、政府は正式な規制を実施すべきだとしています。
参考
・India dismisses plans to ban cryptocurrencies
・All Private Cryptocurrency Will Be Regulated, Not Banned: Sources
【こんな記事も読まれています】
・クリプトリテラシーの仮想通貨保有率調査、アメリカでは人種によって大きな差
・シティグループがデジタル資産に特化した新規部門開始へ
・ツイッターが仮想通貨専門の部門開設、深まるデジタル通貨との関係