8月初めにイーサリアム(Ethereum)の大型アップデートロンドンフォークが行われたのをご存知の方は多いと思います。このハードフォークに含まれていた「EIP1559」はイーサリアムにとって重要な変更となりました。
イーサリムと非常に似ているPolygon(ポリゴン)でも、同じ仕組みを取り入れるのか議論がありました。コミュニティからのインプットなどを経てポリゴンでも導入することになり、12月14日からテストネットでの稼働が始まりました。
今回はポリゴンからの発表内容を基にやさしく解説します。
手数料の仕組みを変更するEIP1559
EIP1559では、ガス代計算の主なメカニズムであるファーストプライスオークションを廃止し、その代わりに次のブロックに含まれるトランザクションの基本料金と、処理を高速化するための優先料金が別々に設定されます。
将来的に基本料金はネットワークの混雑状況に応じて変動しバーンされ、優先料金はバリデータの収入になります。
ポリゴンでEIP1559が導入されるメリット
ガス代は需要と供給によって決まるため、この変更によって取引にかかる料金が下がることは期待できませんが、基本料金は次のブロックに含まれるための最低価格であるためトランザクションにかかるコストをより適切に見積もることができるようになります。その結果、余計にガス代を支払うユーザーが減ると見込まれています。
またイーサリアムとポリゴンの大きな違いとして、ポリゴンのネイティブトークンであるMATIC供給量は100億MATICと上限が固定されているため、利用可能なトークン数が減少することになります。過去のディスカッションの中ではバーンする代わりにDAOにプールするなどの方法も検討されましたが、アップグレード後のイーサリアムの状況をベースラインとして分析したうえでバーンされることになりました。MATICの総供給量に対する影響をシミュレーションした結果、年率換算でMATICの総供給量の0.27%に相当するバーンが発生する計算になっているようです。
ポリゴンのブログではEIP1559の実装はユーザーだけでなく、開発者などにとってもメリットのあるもので、Dapp開発者はイーサリアム関連のツールをよりシームレスに使うことができると説明しています。
参考
・Polygon Is Bringing EIP-1559 Upgrades to Its Network With a Testnet Release
・EIP1559 Implementation on Mumbai Testnet
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