仮想通貨の高利回り運用は安全?S&Pが“危険度”を評価へ
仮想通貨の高利回り運用は安全?S&Pが“危険度”を評価へ

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※本記事は、2026年10月5日時点でS&P Global Ratingsなどが公表している情報をもとに作成しています。

 

仮想通貨を預けて利回りを得るサービスを見て、「魅力的だけれど、本当に安全なの?」と感じたことがある人もいるのではないでしょうか。

S&P Global Ratingsは2026年10月4日、暗号資産をまとめて運用する「レンディング・ボールト」のリスクを評価する新たな仕組み「Vault Risk Assessment(VRA)」を開始しました。

対象となるボールトへの預かり資産は、2024年9月の約15億ドルから2026年9月には約100億ドルへ拡大。2年間で約6.7倍となっています。

市場が急拡大する一方、利回りだけを見ても、預けた資産を失うリスクまでは分かりません。

VRAは、こうしたボールトのリスクを共通の尺度で比較しやすくする新たな評価です。

 

仮想通貨への投資には、DeFiを使った運用だけでなく、国内取引所でBTCなどを直接購入する方法もあります。仕組みやリスクの違いを理解して利用することが重要です。

 

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そもそも「仮想通貨を預けて運用する」とは?

今回S&Pが評価するのは、ブロックチェーン上で運営される「デジタル資産レンディング・ボールト」です。

ボールト(Vault)は直訳すると「金庫」ですが、ここでは複数の利用者から暗号資産を集め、決められた運用方針に沿って貸し出しなどに活用する仕組みと考えると分かりやすいでしょう。

S&Pは、運用型の債券ファンドに似た仕組みと説明しています。

 

利用者から集めた資産を融資などに回し、そこで得た収益を運用に反映する仕組みがあります。

運用はブロックチェーン上のプログラム「スマートコントラクト」で自動化される場合もあれば、人間の運用担当者が方針を決める場合もあります。

こうしたブロックチェーン上の金融サービスは「DeFi(分散型金融)」と呼ばれています。

S&Pは何を見てリスクを判断する?

VRAが見るのは「どれくらい儲かるか」ではありません。

ボールトへ預けた資産が損なわれるリスクを、6つの観点から評価します。

 

・運用資産の信用リスク
・流動性のミスマッチ
・運用を管理するキュレーターのリスク
・利用するブロックチェーンのリスク
・DeFiプロトコルのリスク
・セキュリティやガバナンスのリスク

 

初心者向けに言い換えると、「どこで運用しているのか」「必要なときに資産を動かせるのか」「運営やシステムに問題はないか」といった部分を見るイメージです。

 

ブロックチェーンでは取引履歴を確認できても、それだけで運用先のリスクすべてが分かるわけではありません。

S&Pは、ボールトによって運用戦略やリスク情報の開示に差があることから、独立した共通の評価尺度が必要だとしています。

「S&Pが評価したから安全」ではない

ここは特に注意が必要です。

VRAは一般的な「信用格付け」とは異なり、利回りが適切かどうかを評価するものでもありません。

S&PはVRAを、レンディング・ボールトに預けた資産が毀損する「相対的なリスク」についての将来を見据えた意見と位置付けています。

つまり、「このボールトなら損をしない」と保証する制度ではありません。

あくまで複数の運用先を比較するときの判断材料の一つです。

なお、S&PはVRAの評価手法を開始した段階で、具体的なボールトを対象とした最初の評価は今後公表するとしています。

市場は2年で6.7倍、なぜS&Pが参入?

背景にあるのが、レンディング・ボールト市場の急成長です。

S&Pによると、預かり資産は2024年9月の約15億ドルから2026年9月には約100億ドルまで増えました。

わずか2年間で約6.7倍です。

市場が大きくなるにつれて、個人だけでなく金融機関や運用会社などが投資先を検討する際にも、リスクを比較できる情報の重要性が高まります。

S&PはVRAによって、機関投資家などの投資先選定やリスク管理を支援するとしています。

 

S&P Globalは近年、暗号資産分野への取り組みを広げています。

2025年8月にはDeFiの融資プロトコル「Sky Protocol」に「B-」の発行体信用格付けを付与しました。

S&Pによると、信用格付け会社がDeFiプロトコルに信用格付けを付けた初めてのケースです。

2026年10月1日にもSky Protocolの「B-」を据え置いています。

さらに2026年9月には、スマートコントラクトなどのセキュリティを手掛けるOpenZeppelinを買収する契約を締結したと発表しました。

今回のVRAも、従来の金融市場で使われてきたリスク評価の考え方を、ブロックチェーン上の金融市場へ広げる動きの一つといえそうです。

 

ただし、第三者による評価が登場しても、DeFiのリスクそのものがなくなるわけではありません。

高い利回りだけを見るのではなく、「どこで運用されるのか」「どのような仕組みなのか」「どこで資産を失う可能性があるのか」まで確認することが重要です。

今後、実際のボールトにVRAが付けば、これまで分かりにくかったDeFi運用のリスクを比較する新たな材料になりそうです。

 

仮想通貨の取扱銘柄やサービス内容は国内取引所によって異なります。

 

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※本記事は特定のDeFiサービス、暗号資産、その他の金融商品の利用・購入・売却を推奨するものではありません。DeFiではスマートコントラクトの不具合、ハッキング、流動性不足などにより資産を失う可能性があります。

出典・参考

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