バイナンス帝国崩壊から学ぶ仮想通貨(暗号資産)の教訓

どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。仮想通貨(暗号資産)が長年抱えていたバイナンスという爆弾はわずか1日で米司法省とバイナンス及びCEOチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao=CZ)氏との和解で決着が付き、CZ氏はさらに厳しい追求にさらされています。

一方でFTXに続く今回のバイナンス帝国陥落からは仮想通貨について大きな学びがあると言えるでしょう。本稿ではバイナンス帝国の陥落から学ぶ仮想通貨についてわかりやすく解説を行います。

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バイナンス帝国の陥落

2023年11月21日、ブルームバーグの報道によるとバイナンスとCEOのCZ氏が長年司法省によって行われてきた犯罪捜査を終わらせるための司法取引として6000億円の罰金支払いと刑事訴訟に直面する可能性があると報道がありました。このリークでは早ければ11月末までには公式発表があるとされ、翌日には米司法省がバイナンスへの執行措置を発表。

CZ氏はバイナンスのCEOからの退任を了承し、さらに個人での最大で74億円の罰金支払いとバイナンスで得てきた利益の全て、さらに最大で18ヶ月の投獄に直面するという形となり、一夜でバイナンス帝国の陥落となったのです。

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バイナンスに迫る危機に市場は否定的だった

今回のバイナンス帝国陥落を後押ししたのはCZ氏自身であったと言っても過言ではありません。
奇しくも1年前にバイナンスの最大のライバルであるSBF氏のFTXを潰したのがCZ氏自身であり、その結果として規制当局による強いプレッシャーがバイナンス自身にも向けられたことが最大の原因と言えます。

これまで海外メディアが複数のリーク報道をしてきましたが、事の発端は2018年からマネーロンダリングや経済制裁国へのサービス提供が疑われたことで、約5年近い捜査が行われたことになります。そしてFTXグループをCZ氏が同社の財務状況が悪いことを知っているとし、「バイナンスが保有しているFTTを全て売却する」と発言後、企業調査をした後に買収できないとしたことでFTXグループが崩壊しました。

その約1ヶ月後に司法省はバイナンスへの刑事告訴を行うことがリークされており、CZ氏自身も「これまでに経験したことのない無い大変な時期が訪れる」と述べていたことから、約1年間リーガル面での対応に追われていたことがわかるでしょう。この間にも米司法省の取り調べを理由にバイナンスから役員が3人辞任バイナンスショックを懸念とした訴追延期合意(または起訴猶予合意)となるDPA(Deferred Prosecution Agreement)が今年8月にリークされており、すでに3ヶ月前にはこの展開が決まっていたことがわかっているのです。

バイナンス帝国崩壊から学ぶ仮想通貨

バイナンス帝国崩壊から学ぶ仮想通貨の教訓について考えてみましょう。

CZ氏は今回のバイナンスと司法省のやり取りを1年前から行っていたわけですが、「司法省によるバイナンスの調査の事実はない、FUDだ。」と否定し続けていました。

しかし、これまでのリーク報道の内容は最終的な司法取引、DPAの内容はすでに固まっていたことを考えると、1年前のリーク報道時点で実際にCZ氏の弁護士は司法省と交渉をしていたことが事実であるといえます。このように自社にとって不利になることはたとえ嘘であったも大々的にSNSで否定していくのが仮想通貨企業によくある例であると言えるでしょう。

例えばFTXグループのアフロことSBF氏は、FTX破産申請前に「十分な資金を持っている」という発言をしていたものの、破産申請時にはFTXグループの資産は債権額の5割以下だったことも明らかになっています。同様にFTXグループ破産で連鎖倒産となったブロックファイ(BlockFi)の役員もSNS上で自社は安全でありFTXとは独立したグループだと発言していましたが、2~3日後には出金を停止し同月に破産申請をする結末となっています。

また仮想通貨取引所は昔から緊急のメンテナンスとしてアクセスを遮断するとハッキングであることが大半であるこも知られています。
これらのことから次の2つのことが分かります。

1.役員や内部関係者のポジティブな発言は嘘の可能性が高い
2.リークの情報は正しい可能性が高く、資金撤退やリスク回避の合図

バイナンスは6400億円の罰金支払いに、さらにCZ氏というカリスマを失い、無国籍仮想通貨取引所としてのアドバンテージを失ったことから今後生き残れるかの瀬戸際に立っているということになります。
これらから仮想通貨投資家は自身の資産を守るために常に最新のニュース、リーク報道に目を向けることが最大の防衛策であると言えるでしょう。

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