【墨汁速報】破産危機のジェネシス 仮想通貨取引所の顧客資産1206億円を凍結か

ビットコインビリオネアとして知られるウィンクルボス兄弟の仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)が提供するレンディングプロダクトの「ジェミニ・アーン(Gemini Earn)」は、提携先のジェネシストレーディング(Gemesis Trading)がFTX破産の影響で出金を停止したことで顧客資産が約3週間凍結された状態となっている。

リークによるとジェネシストレーディングはジェミニの顧客資産となる約9億ドル(約1206億円)相当の仮想通貨を預かっており、引出しができない状況だという。

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ジェミニの顧客資産1206億円が凍結か

フェイスブック(メタ)のマーク・ザッカーバーグとの訴訟後、ビットコインへ投資を行ってビリオネアとなったとして知られるウィンクルボス兄弟(=テイラー&キャメロン・ウィンクルボス)。彼らが2015年にローンチした仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)は破産したFTXと同様の高金利レンディングプロダクト「ジェミニ・アーン(Gemini Earn)」を提供しており、FTX破産による影響で資金凍結されている状態となっている。

というのもジェミニ・アーンはユーザーから預けられたビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を提携先であるジェネシス・トレーディングに貸付ており、FTXグループ破産後の2022年11月16日に同社のレンディングユニットは新規ローン及び引出しの停止を発表。

リーク情報によるとジェネシス・トレーディングはジェミニの顧客資産約9億ドル(約1206億円)相当の仮想通貨を預かっているという。同社は株主に対して資金調達に苦戦していると述べており、チャプターイレブンの申請による破産の可能性を警告している状態だ。

関連記事:【墨汁速報】FTXグループが破産申請 4社を除くグループ約130社が再建手続きへ

ジェネシスの破産危機による連鎖倒産の可能性

ジェネシストレーディングは1.75億ドル(235億円)の資金が破産したFTXに凍結状態となっていると11日に発表しており、その後FTXグループは破産を発表した。この破産を受けて新規ローンと出金を停止したジェネシス・トレーディングは破産を避けるために資金調達目標を10億ドル(1343億円)としていたものの苦戦しており、半額となる5億ドル(671億円)としている。

さらに債権者達は破産を防ぐために「再建弁護士」を雇用しており、親会社となるDCG(デジタル・カレンシー・グループ)と奔走している。一方で約1206億円という巨額の顧客資金が凍結されているジェミニは新たに債権者委員会を組成、凍結された仮想通貨を取り戻そうとしているという。

FTX破産の影響はさらに続くか?

世界最大手仮想通貨ファンドのグレースケール(Gray Scale)の親会社でもあるDCGは20億ドル、日本円で2686億円もの支払い債務があり、うち2283億円は2つのローンを介して子会社であるジェネシス・トレーディングが有しているという。

さらに今回のFTX破産の大本の原因となった仮想通貨ヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタル(=3AC)の破産により2022年7月に11億ドル、日本円で1477億円もの損失を負っている。FTX破産から仮想通貨業界全体での資金調達が困難となっており、破産した企業を買収する動きが強くなっていることからもDCGのような最大手でも資金難に苦戦しているということだろう。

ジェネシス・トレーディングは既に破産の可能性を株主に伝えていることから、最悪のケースでは小規模仮想通貨取引所と言えるウィンクルボス兄弟のジェミニの連鎖倒産、さらにはウィンクルボス兄弟への損失につながる可能性が浮上しており、今最も注意しなければいけない仮想通貨業界の動向と言えるだろう。

関連記事:FTXの破産はどこまで仮想通貨に影響する?連鎖倒産の経緯と今後

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