仮想通貨(暗号資産)最大手取引所のバイナンス(Binance)は数十億ドル、日本円にして1000億円を超える資金を企業収益と顧客資産と合わせて運用していたと元社員と元規制当局官がリーク。米国の金融法において日本と同様に顧客資産と仮想通貨取引所の資産を分けて保管する「分別管理」が求められており、バイナンスはこれに違反していたという。
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バイナンス顧客資産流用のリーク
ロイターによるとバイナンスグループの財務状況を直接知るというリーク者によると、数十億ドルがバイナンスの収益と顧客資産とを分別することなくシルバーゲート銀行にほとんど毎日不正会計が行われていたという。ロイターはこれらの取引や常習性を確認することはできなかったものの、バイナンスの銀行取引を分析したところ2021年2月10日に2000万ドルの企業資産と1500万ドルの入金された顧客資産が混ぜられていたことを発見したという。
また3人の元規制当局官によるとバイナンスの資金の流れは明確に識別できず、企業収益と適切に分別管理できていたことを確実に示せる内部統制が欠如していたと述べている。
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— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) May 23, 2023
また米国証券取引委員会(SEC)の元インターネット執行官のジョン・リード・スターク(John Reed Stark)氏は、「バイナンスの顧客は自身の預入資産がどこに保管されているのかを探すのに法廷会計を必要とするべきではない」と述べている。
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バイナンスは事実を否定
また米国証券取引委員会(SEC)の委員長であるゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏は米国の仮想通貨取引所は規制に準拠していないとし、「仮想通貨取引所のビジネスモデルは顧客資産を使用し、分別管理を行っていない傾向にある」と指摘している。
一方でバイナンスの広報ブラッド・ジェフィ(Brad Jaffe)氏はロイターの報道に対して、「指摘されている銀行口座は顧客資産の入金に使用されているものではなく、あくまでユーザーが円滑に仮想通貨(暗号資産)を購入できるようにするために使用されている」と意味深な否定をしている。
さらに顧客資産の流用はなく、これらの資産は100%バイナンスの資産であると主張、この理由としてユーザーがドルを入金した際には「内部で同社のステーブルコインであるBUSDを購入している」としており、アマゾンで商品を購入している処理と同じだとしている。
BUSDの証券問題と度重なるリーク
バイナンスの主張するこのBUSDは米国証券取引委員会(SEC)が「証券に値する」として訴訟を警告しており、発行元のパクソスではBUSDの新規発行を停止している。またバイナンスの米国法人であるバイナンスUSと世界展開を行っているバイナンス・グローバル(Binance.com)とは全く異なる独立法人であるとされているも、CEOのチャンポン・ジオ(Changpeng Zhao=CZ)氏との使途不明金の送金など多くのリークがある。
FTX帝国の陥落を引き起こしたバイナンスだが、これらの追求はFTX破産によって多くの連鎖倒産を引き起こしたことからも今後も止まらないとみられる。
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