ビットコイン(BTC)は長期的な失速状態が続いており、近日中にはサポートレベルでのリテストがあるように思えます。しかしここに来てマクロ経済が好転し、ショートトレーダーにより市場の流動性が高まったことで、ビットコインは息を吹き返したようにも見えます。
1月20日の時点で、ビットコイン価格は24時間で約2%ほど値を上げ、約270万円)程度で推移しています。しかし直近の7日間では11%も値を上げるなど、暗号資産(仮想通貨)の中でもトップレベルのパフォーマンスを見せています。
短期的には再び値下がりのリスクも?
ニュースBTC(NewsBTC)のレポートによると、ビットコイン価格の上昇に合わせてショートポジションが蓄積しており、市場トレンドが上昇するにつれこれらのポジションが清算されて価格上昇を後押しするでしょう。
この状況でビットコイン価格は上昇を続けるかもしれませんが、緩やかなペースになるでしょう。この数週間市場がショートに偏っていたため、今度は強気なロングポジションがターゲットになるかもしれません。その場合ビットコイン価格は押し戻されて、19,600ドル(約252万3,000円)から19,700ドル(約253万5,000円)のサポートラインに達する可能性もあります。
QCP Capitalが予測する悪いシナリオ
一方でQCP Capitalの最新レポートは、マクロ経済の動向が変化して、仮想通貨に下向きのインパクトを与える危険性を指摘しています。
現在、米国連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ解消のため金利を上げ続けており、その基準はここ40年で最高レベルに達しています。また最近のデータではインフレは緩和傾向にあり、今後FRBの金融政策も緩和される可能性があるため、ビットコインとその他のリスク資産もさらに上向きになるかもしれません。しかしQCP Capitalは2023年の第一四半期は楽観視しながらも、第二四半期には障害が立ちはだかる可能性に言及しています。
QCP Capitalの予測によると、2月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、仮想通貨などの現在の価格に強い圧力が加わると予想されます。さらに3月22日のFOMCでは、最新の金利予想がリリースされることになり、もしもその中央値が調整されなかった場合、市場は激しいショックを受けることになるとも予測しています。
ビットコインや株式が徐々に上昇しているという事実は、金融を取り巻く環境がいかに簡単に緩んでしまうのかという見本になっています。FRBは経済環境の立て直しに奮闘しており、今後は再び金融政策の引き締めに舵を切る可能性もあります。
2024年の今頃には、市場は今よりもかなり低い金利になると予測されます。もしもFRBがその予測を受け入れるか、もしくはさらにインフレが続くとしたら、仮想通貨市場と伝統的な金融市場は、さらなる苦痛を味わうことになるでしょう。
参考
・Bitcoin Bulls Hold The Line At $20,700, But Bigger Losses Are Imminent?
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