【墨汁速報】仮想通貨最大手ブローカレッジ「ジェネシス・トレーディング」チャプターイレブン破産申請

仮想通貨コングロマリットのデジタル・カレンシー・グループ(DCG)の100%子会社でジェネシス・トレーディング(Genesis Trading)としても知られる「ジェネシス・グローバル・キャピタル(Genesis Global Capital LLC)」が連邦破産法11条、チャプターイレブン(Chapter 11)を申請して破産。

同社は仮想通貨投資信託最大手のグレースケール(Grayscale)の姉妹会社であり、人員削減をするなどして破産申請が間近であったことが事前にリークされていた。

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ジェネシス・トレーディング破産

ジェネシス・グローバル・キャピタルは2022年11月のFTXグループの破綻に伴い、同社のレンディング部門でウィンクルボス兄弟の仮想通貨取引所「ジェミニ(Gemeini)」の顧客資産を約1200億円凍結、破産した仮想通貨ヘッジファンドで3ACとして知られる「スリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital)」で約11億ドルの損失、さらにFTXの仮想通貨取引所内で1.75億ドルが凍結されて債権者となるなどして約2ヶ月間出金を停止してたいた。

日本時間19日、ジェネシスが再建型の破産申請となるチャプターイレブン(連邦破産法11条)を数日以内に申請するとリークされており、20日に入って正式に申請を行ったと発表している。ジェネシスの破産理由は仮想通貨レンディング最大手で2022年11月28日に同様の破産を発表したブロックファイ(BlockFi)と同じで「FTXグループの破綻による連鎖倒産」となっており、現状でめぼしいレンディング企業はトラブルを複数抱えているネクソ(Nexo)以外ほぼ全て破産したことになる。

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ジェネシスの資産と負債

ジェネシスはジェネシス・グローバル・キャピタルの他にグループ会社としてであるジェネシス・アジア・パシフィック(Genesis Asia Pacific PTE. LTD..)、ジェネシス・グローバル・ホールディングカンパニー(Genesis Global Holdco, LLC.)の3社が破産。ジェネシス・トレーディングとしてブローカレッジを中核ビジネスとして提供していたジェネシス・グローバル・キャピタルの破産時の資産は10億から最大で100億ドル(1.92兆円)、負債も同様の範囲となる最大100億ドル(1.92兆円)となっている。

また約2ヶ月前の出金停止によるジェミニ顧客資産9億ドルの凍結分がトップ債権者となっており、破産時の時価で7.65億ドル現在の日本円の価値にして988.3億円が2位との差を倍近くつけており、トップ債権者達に約35億ドルの負債があるとチャプターイレブン申請書に記載している。

一方でトップ債権者のジェミニはジェネシスが破産申請をする前に交渉を行っており、キャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏は「DCGとCEOのバリー・シルバート(Barry Silbert)氏に対して直接の訴訟を準備している」と述べている。現時点ではジェミニの破産申請などの発表やリークはされていない。

親会社のDCGも苦難の時を迎える

ジェネシス・トレーディングはデジタル・カレンシー・グループ(DCG)の100%子会社であり、DCGはジェネシス・トレーディングの破産に伴い苦難の時を迎えていることになる。ジェネシスの破産申請前にDCGは株主に対して「仮想通貨市場を鑑みて一時的に四半期配当を停止する」と通知、さらに同社が保有するポートフォリオの売却を検討しており、リークでは米仮想通貨メディアのコインデスク(Coindesk)を売却するとされている。

同社の仮想通貨投資信託「グレースケール」は適格投資家のリスクオフ売りから運用資産との大きなマイナス乖離が継続しており、一時的に回復していたもののビットコインを運用するグレースケール・ビットコイン・トラスト(ティッカー:GBTC)はマイナス40%と再度下落している。DCGはジェネシスに2000億円以上の巨額ローンの借入があるとされており、資金捻出にも苦戦している。

 

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