SECはビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の高金利レンディング企業BlockFiを綿密に調査しているという。BlockFiは最大で年間利回り9.5%を提供するレンディング企業であり、SECはこの金利を提供するBIA(BlockFi Interest Account)が証券に当たる可能性があると考えているようだ。
BlockFiアカウントは証券か?
SECのBlockFi調査に詳しいという人物によると、
「SECはBlockFiの高金利を得られるアカウントは証券に類似している可能性があり、SECに登録するべきかどうかを調査している」
という。
BlockFiでのレンディングレートは仮想通貨の種類や状況に応じて変動するが、現在のレートでは最大で9.5%もの固定金利を提供している。これは米国における普通預金の平均金利0.06%よりもはるかに高く、ニュージャージー州とテキサス州はBlockFiに対して”消費者保護が欠如した違法な金融商品”ではないかと疑問視していた。
Coinbaseがきっかけか
Coinbaseは2021年4月にNasdaqに仮想通貨取引所として初の上場をした。つまりCoinbaseはSECの規制下にある上場企業であり、規制当局のSECとうまく付き合っていく必要があるということになる。
一方で同年9月にCoinbase CEOであるBrain Armstrong氏は同社で4%の金利を付与するレンディングプロダクトのローンチをSECに確認したところ、証券に当たるため訴訟を起こすと忠告されていた。BlockFiは上場を予定しているが現状はプライベートカンパニーとなっているも、このCoinbaseレンディングがきっかけで今後仮想通貨レンディング企業はSECの調査対象となっていくだろう。
価格の高騰には規制は不可欠
イーサリアム上での非中央集権金融”DeFi”にもSECの調査は及んでおり、仮想通貨取引所を介さずに売買ができるUniswapの開発チームにもSECの調査が入っている。これらは一見仮想通貨にとってファンダメンタル的にマイナスのような印象を持つ投資家が多いが、米国初のビットコインETF承認で最高値を更新したように、資産クラスの一つとして今後も地位を確立するためには規制が必要不可欠なのである。
これらの規制により機関投資家が投資しやすい環境が整うことで、仮想通貨産業全体がこれまでにない成長をしてきたのは2020年から2021年にかけての動向を見ても明白だろう。つまり今後規制が進むほど仮想通貨の未来は明るいといえる。
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