ゲートグループが仮想通貨関連ライセンス取得で香港に進出

暗号資産(仮想通貨)取引所のゲート・アイオー(Gate.io)の親会社であるゲート・グループ(Gate Group)社は、香港でTCSP(Trust or Company Service Provider:トラスト登録または企業サービス・プロバイダー)ライセンスを取得しました。

同社はフォビ(Huobi)、オーケーエックス(OKX)、ビットゲット(Bitget)などと同様に、仮想通貨に前向きな方針を示す香港でのライセンス取得を目指していました。

世界の流れとは異なる香港の姿勢

世界中で、FTX問題を受けて仮想通貨規制の引き締めが行われています。いくつかの仮想通貨関連企業が、破産を申請し投資家に損害を与えたことを考慮して、規制当局は規制を強化する動きを見せています。

一方で香港は世界中の仮想通貨関連企業に門戸を開き、仮想通貨の中心地になることを目指しています。その手始めとして香港は、仮想通貨取引所が個人投資家に対するサービスを行う上で、ライセンスを取得する体制を導入しました。同時に香港当局は、Web3エコシステムの発展を促すため、5,000万香港ドル(約8億5,800万円)の予算を配分しました。

それに対して仮想通貨関連企業はライセンスの申請をして、香港証券先物事務監察委員会(SFC)が順次承認することを待っており、規制当局の前向きな姿勢を活用する動きを見せています。

ゲート・グループの香港拠点化構想

2023〜2024の年次予算演説において、香港の財政司司長であるポール・チャン(Paul Chan)氏は、「2023年初にサイバーポート(ビジネスパーク)が、Web3のHub@Cyberportを開設した。我々はWeb3エコシステム推進に5,000万香港ドルを拠出し、業界や企業の発展と分野を越えた協同ビジネスを促進するため、国際的なセミナーを開催するほか、若い世代に向けたワークショップの開設を進めている」と述べています。

ライセンスの認証により、ゲート・グループは香港で新たな仮想通貨取引所を開くことになるでしょう。傘下企業のひとつであるヒッポ金融サービス(Hippo Financial Service)は暗号資産のカストディのサービスを提供するため、すでに2022年8月に認証を受けています。

他にもチャン氏は、バーチャル資産発展のための特別チームを編成することを明らかにしています。このチームには業界の専門家、関連する政策当局、金融規制当局などが参加して、Web3を正しい方向に先導する役割を果たします。

フォビ取引所も、最近アジアの本拠地をシンガポールから香港に移転することを発表しました。今後は新体制のもと、フォビ香港として仮想通貨取引所を開設する計画です。

最近になって香港証券先物事務監察委員会は、ライセンス体制についての公開協議(public consultation:パブリックコメント)を求めました。まず焦点になるのは、個人投資家にサービスを提供すべきかどうかです。また、投資家保護を保証する方法についても議論がなされるでしょう。実際にライセンス体制が効力を発するのは、2023年6月になると見込まれています。

参考
Gate.io Plans To Enter Hong Kong After Gov. Allocates $6.4 M For Web 3 Space

【こんな記事も読まれています】
世界初、香港がグリーンボンドを仮想通貨のトークンとして発行
【墨汁速報】バイナンス使途不明金535億円をUS法人からCEOの会社へ密かに送金=リーク
ダップレーダーがNFTのユーティリティに関する調査レポートを発表

おすすめの記事