本コラムではイーサリアム(Ethereum)のネットワークがあらゆる指標で活発化していることを踏まえて、具体的な指標をさまざまな面で見ていきます。
イーサリアムのネイティブアセットである「ETH」の価格は2021年上半期に大きく上昇しました。直近1年では約1000%の上昇を記録しています。
参照:CoinGecko
暗号資産市場全体におけるドミナンスはビットコイン(BTC)は40%を下回りました。またイーサリアムのドミナンスは約20%になり、時価総額はビットコインに対する半分近くになりました。
ネットワークアクティビティはあらゆる指標で活発化
本節では、イーサリアムの主要なネットワークアクティビティを「Ethereum Announces First Quarter 2021 Results」から参照しながら要約します。上記は上場企業の決算開示を模していますが、イーサリアムのネットワークを参照して執筆された個人のブログです。
2021年Q1(1-3月)のイーサリアムの主要な成長は以下のような内容です。
①ネットワーク全体で支払いされたトランザクション手数料
2021年Q1のトランザクション手数料は17億ドル(約1,800億円)。2020年のQ1の800万ドルと比較して約20倍がトランザクション手数料として支払いされた。
②トランザクションされた資金量
イーサリアムのネットワークでトランザクション資金量は7,130億ドルで、2020年のQ1の330億ドルと比較して20倍に。
③トランザクション1件あたりの手数料
1件あたりの平均トランザクション手数料は7.63ドル。2020年のQ1の0.06ドル と比較して126倍に。
④Ethereum2.0にステーキングされたETH
2020年12月から開始したEthereum2.0のステーキングは360万ETHがステーキングされて、これはETH全体供給量の3%超に当たります。
⑤デイリーアクティブアドレス
イーサリアムでは平均約60万のアドレスが毎日アクティブに稼働しています。2020年Q1から70%の成長をしています。
⑥DeFiのTVL
イーサリアム上のDeFiのスマートコントラクトにロックされた資金量は1,770億ドルに達し、2020年Q1と比較し76倍となりました。
⑦ステーブルコインの時価総額
2020年Q1の71億ドルから5倍もの成長を見せ、419億ドルに。
⑧WBTC
BitGoがカストディしてビットコインをERC20にしたWBTCは170,00WBTCに達しており、ビットコインの全供給量の1%に。2020年Q1から約95倍成長。
⑨NFTアートの販売
NFTアートの販売は、観測可能な範囲として2021年Q1で3億9,600万ドルで、2020年Q1は70万ドルで約500倍の成長を記録。
MetaMaskやVISAの事例
これらの数字の成長の大きさから見て分かる通り、イーサリアムのネットワークアクティビティーはあらゆる指標で活発化していることが分かります。
また、上記のオンチェーンアクティビティ以外ではイーサリアムの最も主要なウォレットであるMetamask(メタマスク)が500万アクティブユーザーを発表しました。そのほかにも、VISAがイーサリアム上のUSDCの決済をサポートすることを発表しています。
パブリックブロックチェーンは非常に多くのユースケースが生まれ、利用者も増えていることの証明であろうと言えます。