どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。イーサリアム(Ethereum)は8月5日に待望のロンドンハードフォークを実装し、手数料モデルを変更する「EIP-1559」が導入されました。本稿ではEIP-1559の価格への影響と今後について詳しく解説を行います。
EIP-1559とは?
EIP-1559とはビットコイン(BTC)が採用しているブロックに取り込まれる際のオークション形式の手数料支払モデルから、混雑度合いに応じて手数料を上げたり下げたりするモデルへの変更です。またこの支払われる手数料を「Base Fee」と呼びマイナーに支払われることなくバーン(焼却)されます。
つまり現在のイーサリアムは使われれば使われるほど手数料が高騰し、その分多くのETHがバーンされていくという構造になっているのです。これはマイナーがイーサリアムにネットワーク攻撃を仕掛けるのを防止する機能の他に、手数料が予期しやすくなります。さらにETHの市場供給量がバーンで減少していくためETH価格に大きな影響を与えることが分かるでしょう。
ETHのバーン数
EIP-1559におけるETHのバーン数は、実装からわずか1ヶ月足らずで15万ETHに迫る14.78万ETHとなっています。これはETH価格を約37.5万円としたとき日本円にして554億円にのぼり、1日あたり20億円以上ものETHが市場からバーンされていることになります。
出典:Ultrasound - EIP-1559におけるETHのバーン数
ETH価格への影響
またここ数日「Base Fee」がイーサリアムの混雑により高騰しており、100Gwei付近を推移していることからより多くのETHがバーンされてることが分かります。ローンチ時は1分間に3ETHを超えており約100万円前後のバーンとなっていましたが、過去1週間ではその倍となる6.31ETHがバーンされています。
アートなどで需要が増加しているNFTや、運用で利益を出せるDeFi(分散型金融)需要が去年以上に増加しており、ETH価格高騰に拍車をかけていると言えるでしょう。
EIP-1559とETHの今後
EIP-1559は今後変更される予定がなく、イーサリアム2.0のShardingが実装されるまではより多くのETHをバーンし、ETHの供給量が新規発行するETHを超えてマイナスになる可能性があると言えるでしょう。
イーサリアムは1分で約9.23ETHを新規発行しているので、すでに瞬間的には供給量はマイナスになる自体が起きている状態です。ETHのインフレ率は年間で約4.14%となっており、1分間のバーン数が
3ETH:2.79%
6ETH:1.45%
9ETH:0.10%
10ETH:-0.03%
上記のとき年間インフレ率が減少していくのです。
またイーサリアム2.0への統合となるEIP-3675が年末から来年にかけて行われる予定となっており、マイニングが廃止されることでさらにETHの年間インフレ率がマイナスになることになります。従ってETH価格の高騰はETH1とETH2の統合がキーであると言えるでしょう。
価格の高騰は需要と供給の割合で決まるため、現在のイーサリアムは使われれば使われるほど需要の増加に対し、供給が減るのでETH価格が高騰しやすい状態になっているということです。
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