メタバースゲームを開発する企業であるアトモス・ラボ(Atmos Labs)が6月13日、シードラウンドで1,100万ドル(約14億8,000万円)の資金調達に成功したことを発表した。
広大なSF世界を舞台にしたメタバース
アトモス・ラボズが開発を進めるアトモス(Atmos)は、広大なSF世界を舞台にした仮想ゲーム世界。この開発には、メタバース固有のスポーツの出現を加速させる目的があるとされている。アトモスの開発には、ゲームや仮想通貨、自動車、工業デザイン、コミック、映画といったさまざまな分野から経験豊富な人材が参加している。
同社は、これまで仮想環境でのスポーツは世界的な普及が限られており、視聴者の正当性に対する疑問や「スポーツ」の排他的な定義からくる批判にはっきりと反論できていなかったとしている。しかし、ブロックチェーン技術や分散型金融(DeFi)、NFTを活用したメタバースの出現により、従来のゲームやスポーツの概念が覆され、ゲーマーや観客までもがエコシステムの中心に位置づけられることになると考えている。
今回の資金調達では、メタバース固有の投資会社であるスフェルミオン(Sfermion)が主導し、香港のブロックチェーン企業であるアニモカ・ブランズ(Animoca Brands)や仮想通貨に焦点を当てたベンチャーファンドのコラボ+カレンシー(Collab+Currency)などが参加した。調達した資金は、アトモスの基盤構築、コミュニティの成長、アトモスチームの拡大に充てられる予定。
メタバース独自のスポーツとエンターテインメント
アトモス・ラボのケビン・ボーレガード(Kevin Beauregard)最高経営責任者(CEO)は、アトモスはゲームの次の進化形であるとし、「人々は、現実世界と同じように、メタバースでのスポーツイベントに集うようになるだろう。私たちは、メタバース独自のスポーツとエンターテイメントを構築している。このカテゴリーは、メタバースの概念に興奮と実質をもたらすと信じている」と語った。
共同リード投資家であるスフェルミオンのアンドリュー・スタインウォルド(Andrew Steinwold)マネージングパートナーは、「アトモスは、資産の所有権を維持しながら、見事な美学、競争、真のデジタル経済の新鮮な融合を実現している」と話した。
アトモス・ラボズのディラン・ブシュネル(Dylan Bushnell)ゲームデザイン担当は、「私たちは、プレイヤーがゲームプレイから価値を生み出し、非独占的なマーケットプレイスで相互運用可能な資産を所有・取引し、自らが作り出したエコシステムを統治できる世界を構築することに尽力している。重要なのは、私たちが開発しているゲームはそれ自体で成り立つということだ」とも付け加えた。
参考
・Atmos Labs Completes $11M Seed Round to Power the Evolution of Metaverse-Native Sports
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