弱気な仮想通貨市場の一方で見えてきたブロックチェーンゲームとNFT回復の兆し

分散型アプリケーションの分析データを提供するサイト「ダップレーダー( DappRadar)」の最新レポートによると、2022年の5月は暗号資産(仮想通貨)市場にとってさんざんな月だったものの、NFTとブロックチェーンゲームは依然注目されるトレンドであり、分散型金融(DeFi)も勢いを維持しているとのことです。

赤信号が点灯する市場に見える変化

仮想通貨市場の弱気相場はここ数ヵ月継続しており、ビットコイン(BTC)は約400万円を割りました。さらにDApp(分散型アプリケーション)の活動低下と、ソラナ(SOL)のようなネットワークに関わるインフラへの不安が事態を一段と悪化させていました。

この弱気傾向の原因をテラ(Terra)の崩壊と結びつける見方もありますが、2021年11月後半から市場がかなりの弱気に移りつつあったことを認識すべきでしょう。テラをめぐっては600億ドル(約8兆500億円)相当の価値が市場から消えたことになります。

DeFiの業界はテラの崩壊により深刻な影響を被りました。テラ預かり資産(TVL:Total value locked)で市場第2位に位置する巨大なネットワークだったためで、4月末時点でのTVLは、250億ドル(約3兆3,600億円)に達していました。弱気市場の影響にもかかわらず、DeFi全体のTVLは2021年5月から11%増加しています。

またDeFiに関して、イーサリアム(ETH)やバイナンス スマートチェーン(BSC)、ソラナ(Solana)などが前月比で30%近くTVLを落としている一方で、トロン(TRX市場からの圧力にも屈せず、前月比でTVLを47%伸ばし、新しい業界のけん引役になろとしています。それでもまだTVLが2位だったテラのポジションをはっきりと奪ったプロジェクトがあるわけではなく、今後どのプロジェクトが上位に来るのか注目が集まります。

勢力地図に変化が見られるNFT業界

NFT業界には復調の兆しも見えます。4月には20%の下落を見せたものの、5月には月間37億ドル(約4,966億円)の出来高を記録しました。オープンシー(OpenSea)は95万ETHの出来高でしたが、これは6.5%の減少でドルに換算すると25%減です。一方でソラナは13%増加し、3億3,500万ドル(約449億6,400万円)の出来高でした。

常に流動的なNFT業界では、続々と新しいコレクションが出てきています。ムーンバーズ(Moonbirds)やオーケーベアーズ(OkayBears)から、人気はゴブリンタウン(Goblin Town)やアザーディーズ(Otherdeeds)へと移っているようです。

NFTマーケットプレイスの間でも競争が生まれようとしています。ソラナのNFTマーケットプレイスのマジックエデン(MagicEden)やルックスレア(LooksRare)などが成長を見せています。またオープンシーの出来高ドミナンスが63.3%に下がったのは、業界にとっては健全化のサインの1つともとれますが、依然として総取引出来高のうちオープンシーが76%を占め、マジックエデンは10.1%、ルックスレアは8.1%に過ぎません。

回復基調にあるブロックチェーンゲーム業界

現在の市場状況からすると、ブロックチェーンゲーム業界にも深刻な影響が予想されましたが、事態はむしろ好転しています。1日平均のユニーク・アクティブ・ウォレット(UAW)の減少は5%で済んでいます。人気のブロックチェーンゲームはプレイヤーを維持しており、メタバースプロジェクトは引き続きベンチャーキャピタルからの注目を集めています。

ステップン(STEPN)やジェノペッツ(Genopets)のような新規プロジェクトは、遊びながら稼ぐ「play-to-earn」を現実世界に持ち込みました。動いて稼ぐ「move-to-earn」は、ゲームファイ(GameFi:ゲームとDeFiを融合させたオンラインゲーム)の新しい人気トレンドになっています。

参考
DappRadar Blockchain Industry Report – May 2022

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