米国証券取引委員会(SEC)は先日米国からの撤退を発表した最大36%の金利を付与する仮想通貨レンディング企業の「ネクソ(Nexo)」を提訴、破産したブロックファイ(BlockFi)と同様の未登録の証券を提供したとしており、罰金の支払いで同意した。
ネクソへはニューヨーク州を含む8州が停止通行書を2022年9月に発行しており、ニューヨーク州司法長官はネクソのレンディングアカウントは証券に該当するとして訴訟していた。
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SECはネクソを提訴し罰金支払いで合意
一夜にして価値がほぼ0となったテラプロトコルのLUNA事件やFTXグループ破産による連鎖倒産でほとんどのレンディング企業が倒産する中に生き残っていたネクソ(Nexo)は、2022年12月に米規制当局からのプレッシャーから米国撤退を発表。12月6日からカリフォルニア州を含む8州で最大36%の金利を付与するEIP(Earn Interest Product)の提供を停止していたものの、米国証券取引委員会(SEC)によって提訴、罰金の支払いで合意した。
ネクソは2022年9月にニューヨーク州を含む8州が停止通行書を発行されており、ニューヨーク州司法長官により「EIPは証券に該当する」として訴訟されていた。今回の罰金支払いはSECに対して2250万ドル、州当局に2250万ドルの支払いとなっており、合計で4500万ドルの罰金支払いを破産したブロックファイ(BlockFi)同様に行うことになった。
速報:米国から撤退を発表した仮想通貨レンディングの「Nexo」は金利が付与されるEIP(Earn Interest Product)を未登録の証券として提供したとしてSECに起訴される。米規制当局に計4500万ドル(57.7億円)の罰金支払いで合意#ビットコイン #Nexo #仮想通貨 #暗号資産 #イーサリアム $NEXO pic.twitter.com/zxGTOrBZtl
— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) January 19, 2023
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2022年は仮想通貨レンディング企業が壊滅へ
FTXグループの破産による連鎖倒産となった仮想通貨レンディング企業のブロックファイ(BlockFi)も2021年11月にSECによる証券提供の疑いで調査を受けており、2022年初旬にSECと1億ドルの罰金支払いで和解している。
だがブロックファイはこの1億ドルという高額の和解金から事業が不安定になり、2022年5月のテラのLUNA事件による仮想通貨ヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタルの破産で8000万ドルの損失を出し、最終的にFTXグループの破綻で破産した。ブロックファイは仮想通貨レンディング最大手であり、他競合大手のセルシウスネットワークやボイジャー・デジタルなど米国企業も次々と破産、仮想通貨レンディング企業は2022年には軒並み壊滅となってしまった。仮想通貨ブローカレッジでレンディング事業を行っていたDCGの子会社、ジェネシス・グローバル(ジェネシス・トレーディング)も数日以内に破産申請を行うとされている。
ネクソは2022年7月に苦戦するブロックファイに対して買収と運転資金提供を持ちかけるなど唯一生き残っていたといえる仮想通貨レンディング企業だったが、2023年1月12日にブルガリア当局からのマネーロンダリング及び税金違反の疑いで強制捜査を受けており、度重なる破産による顧客不安に含め今回の罰金支払いは大きな痛手となると言えるだろう。
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