ナスダックは12月19日、2022年のメタバース・ベンチャー投資から2023年について分かることについての記事を掲載した。同記事は、ベンチャーキャピタルのトゥルー・グローバル・ベンチャーズ・4プラスファンド(True Global Ventures 4 Plus Fund)などの設立パートナーであるケリー・チュウ(Kelly Choo)氏が執筆したものだ。
2022年に行われたメタバース関連投資額は約2,650億円
同氏の調査によると、2022年はメタバース関連で216の資金調達が行われた。それらの投資総額は、約20億ドル(約2,650億円)だという。さらに同氏は、これらの資金がメタバースに流れ込んだことにより、サポートサービスの需要急増、テーマの断片化、Web3ゲーム再注目という3つの変化が発生したと解説している。
またメタバース関連で最も多くの資金を受け取ったのは、香港のブロックチェーン関連企業であるアニモカ・ブランズ(Animoca Brands)だったという。同氏は、このような結果となった背景として、投資家が後期段階のエコシステムに資金を提供し、そのエコシステムが初期段階の新興企業に資金を提供するという、近年のパターンを踏襲していると分析した。
オープンメタバースのコンセプトの未来は明るい
チュウ氏は、今年の第1四半期から第4四半期にかけて、資金調達案件の減少があったと指摘している。またメタバース関連の今の目標について、顧客に真の価値を提供しているビルダーに焦点を当てることだと言及した。そのような分野の1つとして、ブランドや企業がメタバースの存在を確立することを容易にするスタートアップだとも述べている。
また同氏は、特に今年ローンチしたメタバースプラットフォームが来年に追加資金を求めるため、2023年にはさらに多くのことが起こると予想している。2023年前半に仮想通貨の冬を脱した場合、既存のメタバース・プラットフォームが今年予定していた資金調達ラウンドを終了することも見られるはずだとも指摘した。
さらに今年のメタバース投資活動から学んだこととして、オープンメタバースのコンセプトの未来は明るいということを挙げた。仮想通貨の冬が長引く間、ビルダーは構築を続け、イノベーターは革新を続けるだろうとも予測している。そして同氏は、注目すべき2023年のトレンドとして、アーキテクチャ、AI、アバターなどのサポートサービスが引き続き投資の中心となるだろうとも推測した。
参考
・What Metaverse Venture Investment in 2022 Can Tell Us About 2023
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