
目次
ステーブルコイン決済、渋谷の実店舗で実証へ。 国内導入に向けた実用段階の一歩となるか
結論
デジタルガレージ、JCB、りそなホールディングスの3社は、実店舗でのステーブルコイン決済の実証実験を開始します。
JPYC(円建て)とUSDC(ドル建て)を用い、来店客はウォレットで支払い、店舗は日本円で売上を受け取る仕組みを検証します。
訪日客の利便性向上や加盟店の決済効率化が期待される一方、ユーザー体験の分かりやすさ、円転処理、規制対応などの課題整理が社会実装の鍵となります。
実証実験の概要(いつ・どこで・何を検証?)
【実施期間】2026年2月24日〜3月2日
【実施時間】
・月〜木:14時〜20時
・金:14時〜21時
【実施場所】Pangaea Cafe & Bar(渋谷パルコDGビル10F/R)
【使用通貨】JPYC(円建て)、USDC(ドル建て)
【店舗受取】日本円
どのように支払う?決済の仕組み
利用者の流れ
- ウォレットを起動
- 店舗QRコードを読み取り
- 金額確認して送信
- 数秒〜十数秒で決済完了
店舗側の流れ
- 会計金額入力 → QR表示
- 着金確認
- 円貨として精算・入金
参画企業の役割
デジタルガレージ
プロジェクト企画・決済基盤設計を担当
JCB
加盟店決済・精算スキームの検討
りそなホールディングス
金融実務・事業化検討の役割
マイナウォレット
決済UI「マイナペイ」を提供
使用されるステーブルコイン
JPYC(円建て)
- 円と価値連動
- マイナウォレットで決済
USDC(ドル建て)
- 米ドル連動
- Base Appで決済
ステーブルコイン決済のメリット
① 訪日客の決済利便性向上
両替の手間や手数料負担を軽減する可能性があります。
② 加盟店の業務効率化の可能性
決済コストや入金サイクル改善が期待されます。
③ 国際送金・B2B決済への応用余地
将来的な活用領域の拡張も見込まれます。
社会実装に向けた課題
ステーブルコイン決済を実際の店舗で普及させるには、技術面だけでなく運用・制度・ユーザー体験の課題を解決する必要があります。
● 利用体験のわかりやすさ
一般の消費者に普及させるには、クレジットカードやQRコード決済と同等、あるいはそれ以上のシンプルさが求められます。
現状では、下記のようなハードルが存在します
-
ウォレットのインストール
-
残高の準備
-
ガス代(手数料)の概念理解
-
送金操作への不安
決済完了までの時間、エラー時の案内、返金対応など、日常利用に耐えるUX設計が普及の鍵となります。
● 円転処理と為替リスク
USDCなど外貨建てステーブルコインで支払われた場合、店舗が日本円で受け取るまでの為替変動リスクを誰が負担するのかが重要な論点です。
【検討が必要なポイント】
-
決済時点のレート固定方法
-
円転タイミング(即時/一括精算)
-
為替差損益の負担主体
-
手数料への反映方法
JPYCのような円建てステーブルコインでは為替リスクは発生しませんが、インバウンド需要への対応にはドル建て通貨の併用が不可欠と考えられます。
● 規制対応と登録要件
日本ではステーブルコインが制度上整理されており、取扱事業者には厳格な要件が求められます。
【主な対応事項】
-
電子決済手段等取引業の登録
-
利用者資産の分別管理
-
マネーロンダリング対策(AML/CFT)
-
本人確認(KYC)体制の整備
-
不正利用・詐欺対策
また、外国電子決済手段の取扱いには、利用者保護の観点から移転上限や管理残高の上限措置が設けられています。
制度への適合と利便性の両立が社会実装の重要なポイントとなります。
● 混雑時の処理性能と運用体制
実店舗では、決済処理の遅延は顧客満足度の低下やレジ混雑につながります。
【検証が必要な観点】
-
ランチタイムなどピーク時の処理速度
-
ネットワーク混雑時の遅延リスク
-
送金未承認時の対応フロー
-
二重決済・誤送金の防止
-
通信障害時の代替手段
一般的に、店舗決済では数秒以内の処理が求められるため、安定した運用設計が不可欠です。
ステーブルコイン決済を利用する準備
ステーブルコイン決済を体験するには、まず暗号資産取引所で暗号資産(例:SOLやUSDCなど)を購入し、ウォレットへ送金する準備が必要です。
国内取引所を利用することで、日本語サポートや法規制下での利用者保護を受けながら安全に準備できます。
国内で選ばれている仮想通貨取引所(タイプ別)
▶ 少額から試したい仮想通貨が初めての方
- bitFlyer:1円から取引・積立が可能
▶ 手数料を抑えたい人
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【詳細比較】国内主要仮想通貨取引所5社
SBI VCトレード
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よくある質問
Q1. ステーブルコイン決済は誰でも利用できますか?
対応ウォレットの準備と対象通貨の保有が必要です。実証実験に参加する場合は、対象時間帯や利用条件など最新の案内を事前に確認しておくと安心です。
Q2. 店舗側は暗号資産を保有する必要がありますか?
今回の実証では、来店客がステーブルコインで支払っても、店舗は最終的に日本円で売上を受け取る仕組みが検証されています。店舗が暗号資産を保有する必要はありません。
Q3. ステーブルコイン決済は今後普及する可能性がありますか?
両替不要の利便性や決済コスト最適化などのメリットが期待されています。一方で、使いやすさ、規制対応、運用コストの整理が普及の鍵となり、今回の実証は実用化に向けた検証段階と位置づけられます。
まとめ
今回の実証は、ステーブルコイン決済の社会実装に向けた重要な一歩です。
利便性向上の可能性がある一方、ユーザー体験・運用コスト・規制対応の最適化が普及の鍵となります。
本記事は、以下の公表資料・統計・公式情報をもとに作成しています。
出典・引用
-
Digital Garage プレスリリース
https://www.garage.co.jp/pr/release/20260219/ -
りそなホールディングス ニュースリリース
https://www.resona-gr.co.jp/holdings/news/newsrelease_c/detail/20260219_805.html -
JCB 協業発表(2026年1月)
https://www.global.jcb/ja/press/ -
Coinbase Base App 概要
https://www.coinbase.com/blog/ -
金融庁 電子決済手段等取引業者関係ガイドライン
https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/ -
日本政府観光局 訪日外客数統計
https://www.jnto.go.jp/ -
観光庁 訪日外国人消費動向調査
https://www.mlit.go.jp/kankocho/ -
USDC 発行体Circleの公開情報
https://www.circle.com/ -
JPYC 公式サイト
https://jpyc.jp/