【墨汁速報】イーサリアム発明者Vitalik「ロプステン実装でThe Mergeは90%完了」ethCCで今後の移行について解説

イーサリアム発明者のヴィタリック氏によると、イーサリアムの超大型アップデート「The Merge(マージ)」はテストネットのロプステン(Ropsten)のマージにより90%が完了していると述べた。ロプステンにおけるマージは6月に完了しており、1~2ヶ月後にメインネットで本実装をする予定となっている。

関連記事:【墨汁速報】ETH影響は?イーサリアムのPoS移行に一歩前進”ロプステンでマージ完了”

イーサリアムの超大型アップデート「The Merge」は90%完了

21日に行われたイーサリアムのコミュニティカンファレンス「ethCC」で発明者のヴィタリック氏は、「The Mergeの実装はロプステンのマージで90%完了している」と述べた。

ロプステンとは古くから実装やコントラクトのテストを行う「テストネット」として使われてきたネットワークであり、今後は最も使用されているテスネット「ゴレリ(Goreli)」が8月、DeFiやNFTが実際に動いているメインネットが9月を予定している。

イーサリアム2.0の開発者達はマイニングを廃止してプルーフ・オブ・ステークに移行する「超大型アップデート」であることから非常に慎重に実装テストしているものの、このヴィタリック氏の発言により9月の実装確率が高まると言えるだろう。

「ポストマージ」でイーサリアムはどうなる?

またThe Merge実装後に行う開発ロードマップとなる「ポストマージ」についても言及し、2021年12月に発表していたイーサリアムの今後についても同様に解説を行っている。

ポストマージとしては

・ステーキングされたETHの引出しを行うアップデート

・Rollupを採用したL2を中心としたスケーリングのThe Surge

などだ。

現在のイーサリアムステーキングは他のブロックチェーンと異なり、次世代ブロックチェーンを定義する大幅改良のアップデートであるため、重要なパート毎に段階実装をしていくことになっている。この背景から2020年に開始されたイーサリアム2.0のETHステーキングは現在は引き出しをすることができないのだ。

イーサリアムは今後10年でブロックチェーンの歴史を塗り替える巨大エコシステムを形成するため、これらの大きな実装もイーサリアム2.0の重要な「最初の一歩」となるだろう。

関連記事:イーサリアム(ETH)が見据える今後10年のアップデート構想

イーサリアムの今後

The Mergeではイーサリアム2.0とDeFiやNFTが動くイーサリアム1.0を1つのネットワークとして統合(マージ)することで、この引出し実装を行うことが可能となる。

この実装に伴いロックされているETHを引出しすることができるようになり、さらに毎日発行されるETH数が急激に減少。イーサリアム価格において大きな影響を与えることになるだろう。

またThe Surgeはイーサリアムをベースとした「イーサリアム上の新たなネットワークであるL2(レイヤー2)」をベースにより巨大なエコシステムを形成していくという実装だ。ここではロールアップ(Rollup)というハイブリッド技術を利用したL2ネットワーク、例えばアービトラム(Arbitrum)やオプティミズム(Optimism)、さらには年内にローンチするとみられるzkロールアップ(zk-Rollup)を採用したzkSyncやStarkNetなどをイーサリアムネットワークの拡大の中心にするというものである。

The Merge後はL2の拡張に伴い、イーサリアム2.0の本命であるシャーディング(Sharding)を段階的に実装し、今まで以上の巨大ネットワークにイーサリアムは進化していくことになるだろう。

関連記事:イーサリアムのマージ(The Merge)でどう変わる?DeFiやNFTへの影響は?

▼墨汁サロンでは投資家向けにDeFiやイーサリアム2.0の最新動向や32ETHステーキングのやり方の解説や検証、テクニカル分析理論、ファンダメンタルなどをより深く解説しています。

墨汁バナー

墨汁うまいと学ぶ仮想通貨の世界

おすすめの記事
【墨汁速報】米コインベース 過去にビットコインなどの仮装売買を行ったとしCFTCが罰金支払い命令
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】米コインベース 過去にビットコインなどの仮装売買を行ったとしCFTCが罰金支払い命令
米商品先物取引委員会(CFTC)によると、米最大手仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)は2015年~2018年にかけてビットコイン(BTC)などの出来高を多く見せたりする仮装売買などの虚偽の情報や誤解させる情報をユーザーに与えたとし、CFTCに約7億円の罰金を支払う。
【墨汁速報】破綻したFTXの仮想通貨取引所「FTX.com」サービス再開か?新CEOが可能性を検討
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】破綻したFTXの仮想通貨取引所「FTX.com」サービス再開か?新CEOが可能性を検討
破綻した仮想通貨最大手FTXグループの新CEO、ジョン・J・レイⅢ氏は同グループのインターナショナル仮想通貨取引所である「FTX.com」のサービス再開を検討していると述べた。このFTX.com再開報道からFTT(FTXトークン)は35%の高騰となり、一時2.45ドルを記録した。
【墨汁速報】仮想通貨取引所に米銀行サービス問題が直面 バイビットが突如ドル入金を停止
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】仮想通貨取引所に米銀行サービス問題が直面 バイビットが突如ドル入金を停止
仮想通貨取引所でデリバティブ取引などで知られているバイビット(ByBit)がドルでのワイヤー送金を介した入金の一時停止を発表した。仮想通貨取引所の入出金インフラを支えていたシルバーゲート(Silvergate)銀行がトラブルを抱えていることが判明しており、仮想通貨業界は米国の銀行システムアクセスに問題を抱えている状態となっている。