
目次
結論
「イーサリアム、もう終わりかな」と思っている方へ——その感覚は間違っていません。
ビットコインが最高値を更新する中、イーサリアムは2025年8月にかろうじて史上最高値(約4,946ドル)を更新したものの、その後は急落。2026年3月現在、約2,000ドル台で低迷しています。
「持ち続けていいのか」「売るべきか」——そう迷うのは当然です。
この記事では、その不満を正面から認めた上で、「オワコンと言われる4つの理由」と「それでもオワコンではない根拠」を整理します。
楽観論で片付けるつもりはありません。
こうした局面では、いつでも売買や積立ができる環境を整えておくことが、判断の自由度を高めます。
この記事の重要ポイント
- イーサリアムは2026年3月時点で約2,000ドル(約30万円台)前後を推移。2025年8月の史上最高値(約4,946ドル)から約60%下落中
- 「オワコンと言われる理由」は4つあり、いずれも根拠のある批判。「でも実はオワコンじゃない」で済む話ではない
- 特に「L2の吸血効果」はイーサリアム創設者ヴィタリック氏自身が認めた構造的問題。ETH価格が上がりにくい本質的な原因
- 一方でDeFi市場シェア約55%・TVL(預かり資産)約700億ドル超・JPモルガンやブラックロックによるRWA活用など、金融インフラとしての地位は過去最強水準
- 2026年は「Glamsterdam(前半・5〜6月頃目標)」「Hegota(後半)」と2回のアップグレードが予定。ガス代約78%削減・ブロック生成時間半減など具体的な改善が期待される
イーサリアムとは——改めて整理する
イーサリアム(ETH)は2015年に誕生したブロックチェーンプラットフォームです。
ビットコインが「デジタルの金(価値の保存)」を目的とするのに対し、イーサリアムは「スマートコントラクト(条件を満たしたら自動実行される契約)」を動かすための基盤として設計されています。
現在、以下のサービスの多くがイーサリアム上またはその派生ネットワーク上で動いています。
- DeFi(分散型金融):銀行を介さず、暗号資産の貸し借りや取引ができるサービス
- NFT(非代替性トークン):デジタルアートや音楽の権利証明
- ステーブルコイン:USDTやUSDCなど円・ドルと価値が連動するデジタル通貨
- RWA(現実資産のトークン化):株式や不動産をブロックチェーン上でデジタル化
時価総額は2026年3月時点でビットコインに次ぐ第2位を維持しており、約11年間この順位を守り続けています。
「オワコン」と言われる4つの理由——正直に認める
他のオワコン記事の多くは、批判をすぐに否定します。
しかしイーサリアムへの批判には正当な根拠があります。
まず正面から整理します。
① ビットコインとソラナに価格で大きく劣後している
2025年10月、ビットコインは約1,890万円の史上最高値を更新しました。
一方イーサリアムは2025年8月に2021年の最高値(約4,882ドル)をかろうじて更新(約4,946ドル)したものの、すぐに下落に転じ、2026年3月時点では約2,000ドル台まで下がっています。
ビットコインが最高値から比較的底堅く推移しているのに対し、イーサリアムは最高値から約60%下落という大きな乖離が生まれています。
また、ソラナ(SOL)は2025年にミームコインブームの恩恵を受けて急騰し、取引量ではイーサリアムを上回る場面が増えました。
「個人投資家に人気のチェーン」という地位を奪われつつある状況です。
② L2の「吸血効果」——ETHを持っていても利益が還元されない
イーサリアムはスケーラビリティ(処理速度・コスト)問題を解決するため、「レイヤー2(L2)」と呼ばれる派生ネットワークを多数生み出しました。
しかしここに構造的な問題があります。
わかりやすく言えば、「ショッピングモールを作ったが、テナント料が本館の運営費に入らない」状態です。
Base(コインベース運営)やArbitrumなどのL2は大きな手数料収入を生み出していますが、その利益の多くはイーサリアム本体(L1)に還元されていません。
ETHを保有していても、L2の成長から直接恩恵を受けにくい構造になっているのです。
この問題はイーサリアム創設者のヴィタリック・ブテリン氏自身が2026年初頭に公式に認めており、ETH価格が上がりにくい構造的な原因として投資家の間で広く認識されています。
③ 「クロスチェーン地獄」——使いにくいエコシステム
L2が乱立した結果、別のL2ネットワークに資産を移す「ブリッジ操作」が必要になりました。
これは例えるなら「Suicaの残高をPASMOに移すために複雑な手続きと手数料が必要になるようなイメージです。
操作が複雑になるほど、一般ユーザーの参入障壁が上がります。
一方ソラナは「一枚岩の設計」でこの問題を回避しており、使いやすさでイーサリアムに大きく差をつけています。
④ ガス代(手数料)の高騰問題
イーサリアムのネットワークが混雑すると、取引手数料(ガス代)が数千円から数万円に跳ね上がることがあります。
DeFiやNFT取引が活発な時期には、手数料だけで取引利益が吹き飛ぶケースも珍しくありません。
L2の普及でメインネットのガス代は下がりましたが、「イーサリアムは高い」というイメージは根強く残っています。
それでも「オワコンではない」理由——インフラとしての地位
批判を正直に認めた上で、なぜオワコンではないのかを整理します。
① DeFi市場で約55%のシェアを維持——TVLは約700億ドル超
2026年1月時点で、DeFi市場全体の預かり資産(TVL:Total Value Locked)のうち、イーサリアムは約55%を占めています。
これはドル換算で約700億ドル超に相当します。
第2位のTronが約15%、第3位のBNBチェーンが約10%程度であり、圧倒的な優位性が続いています。
「ソラナに抜かれた」という話は取引件数の話であり、資産ベースでのシェアはイーサリアムが依然トップです。
「お金が集まっているのはどこか」という問いに対する答えは、まだイーサリアムです。
② 大企業が金融インフラとして採用している
JPモルガン、ブラックロック、Microsoftといった大企業が、イーサリアムの技術を使ったプロジェクトを進めています。
特に「RWA(現実資産のトークン化)」分野では、ブラックロックがイーサリアム上でトークン化ファンドを運用するなど、金融インフラとしての実用化が進んでいます。
「ミームコインが流行るプラットフォーム」としてソラナが人気でも、「兆ドル規模の金融資産を動かすインフラ」としてはイーサリアムが選ばれています。この棲み分けは今後さらに鮮明になると見られています。
③ ステーキング需要が価格を下支え
2025年時点で、総供給量の約24%にあたる約3,300万ETHがステーキング(保有して報酬を得る仕組み)に使われています。長期保有者が増えるほど市場に流通するETHが減り、価格の下支えになります。これは「長期保有者がいなくなっていない」ことを示す重要な指標です。
④ イーサリアム現物ETF承認による機関投資家の参入
2024年に米国でイーサリアム現物ETFが承認されました。
ブラックロックをはじめとする機関投資家からの資金流入が始まっており、ビットコインETFと同様の「機関投資家マネー流入フェーズ」に向かいつつあります。
2026年は2回のアップグレードが予定——まず「Glamsterdam」、次に「Hegota」
2026年はイーサリアムにとって重要なアップグレードの年です。
前半・後半に1回ずつ、計2回の大型アップグレードが計画されています。
▶ 前半:Glamsterdam(グラムステルダム)——2026年5〜6月頃目標
Glamsterdamはイーサリアムの処理性能向上を主目的とした前半のアップグレードです。目標時期は2026年5〜6月頃とされていますが、テストネット検証の進捗次第でQ3(7〜9月)への遅延リスクもあります。
確定している主な内容は以下の2点です。
- EIP-7928(ブロックレベルアクセスリスト・BAL):取引を並列処理できる仕組みの基盤を整備。現在の「1車線道路」から「多車線高速道路」へ拡張するイメージで、処理速度が大幅に向上します
- EIP-7732(ePBS:提案者・ビルダー分離):ブロックを作る役割と承認する役割を分離し、一部の大手業者への権力集中を防ぎます。ネットワークの分散性・安全性の向上につながります
これらが実装されると、ガス代が最大約78%削減、ブロック生成時間が現在の12秒から6秒に短縮される見込みです。「イーサリアムは遅くて高い」という最大の批判に直接応えるアップグレードです。
▶ 後半:Hegota(ヘゴタ)——2026年後半予定
Glamsterdamに続く後半のアップグレードが「Hegota」です。主な内容はVerkleツリーの導入(ノードのストレージ要件を最大90%削減)、プライバシー保護・検閲耐性の強化などです。
過去のアップグレード(2024年のDencun、2025年5月のPectra)は、いずれも実施前後に価格上昇のきっかけとなりました。
Glamsterdamが計画通り実施されれば、同様の展開を期待する声があります。
ただしイーサリアムはアップグレードの遅延が繰り返されてきた歴史もあり、「期待先行で買って、実施後に売る」パターンも過去には見られた点は覚えておく必要があります。
「オワコン」かどうかは「何を期待しているか」次第
結局のところ、イーサリアムへの評価は「何を期待しているか」によって変わります。
▶ 短期で価格が上がることを期待している人へ
正直に言えば、2026年3月現在のイーサリアムは「短期で大きく上がる」という期待には応えにくい状況です。
L2の吸血効果という構造的な問題が解決されない限り、「インフラとして強くても価格が上がらない」状態が続く可能性があります。
短期トレードを重視するなら、他の選択肢の方が向いているかもしれません。
▶ 長期で保有したい人へ
金融インフラとしてのイーサリアムの地位は2026年時点で過去最強水準にあります。
RWA・ステーブルコイン・機関投資家向けDeFiという分野で、ビットコインでもソラナでも代替できない役割を果たしています。
「投機対象」ではなく「インフラへの長期投資」として考えるなら、2021年最高値から大きく下落した現在の水準は仕込み時という見方もあります。
いずれにせよ、イーサリアムに投資する・保有するにはまず国内取引所の口座が必要です。
国内で選ばれている仮想通貨取引所(タイプ別)
目的に応じて、自分に合った取引所を選びましょう。
▶ 少額から試したい・仮想通貨が初めての方
- bitFlyer:1円から取引・積立が可能
▶ 手数料を抑えたい人
- SBI VCトレード:入出金・送金手数料が原則無料。ETHステーキングサービスにも対応
▶ アルトコインを幅広く触りたい人
【詳細比較】国内主要仮想通貨取引所5社
SBI VCトレード
大手金融グループ運営|コスト重視派に人気

Coincheck(コインチェック)
初心者に人気のアプリ重視型取引所

bitbank(ビットバンク)
アルトコイン取引に強い本格派

OKJ
取扱銘柄数が多く、新興銘柄にも対応

bitFlyer(ビットフライヤー)
ビットコイン取引量で知られる老舗取引所

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よくある質問(Q&A)
Q. イーサリアムはソラナに負けましたか?
「何で比べるか」によります。取引件数・ミームコインの人気・個人投資家のアクティビティという点ではソラナが優勢です。一方、DeFiの預かり資産(TVL)・機関投資家の採用・RWAや金融インフラとしての活用という点ではイーサリアムが大きくリードしています。「個人の投機向けプラットフォーム」ではソラナ、「機関投資家・企業向け金融インフラ」ではイーサリアム、という棲み分けが進んでいます。
Q. イーサリアムはいつ価格が回復しますか?
正確な予測は誰にもできません。2026年前半に予定されるGlamsterdamアップグレード(目標5〜6月)、機関投資家ETFへの資金流入の加速、マクロ環境の好転が重なれば回復の可能性があります。一方で、L2の吸血効果という構造的な問題が解決されない限り、「インフラとして強くても価格が上がらない」状態が続く可能性もあります。
Q. 今からイーサリアムを買っていいですか?
投資判断はご自身の状況と許容リスクに応じて行ってください。長期目線での積立であれば、2021年の最高値から大きく下落した現在の水準を「割安な仕込み場」と考える投資家もいます。短期での上昇を期待する場合はリスクが高い状況です。いずれにせよ余裕資金の範囲内での判断が基本です。
Q. L2の「吸血効果」は解決されますか?
Glamsterdamアップグレードで並列処理の基盤が整備されることで、L1の価値が高まりL2との収益分配の構造が改善する方向に進むと期待されています。ただし抜本的な解決には複数回のアップグレードサイクルが必要で、短期的には引き続き課題として残ります。
Q. Glamsterdamアップグレードはいつ実施されますか?
目標時期は2026年5〜6月頃です。ただし開発チームはテストネット検証の進捗を最優先としており、Q3(7〜9月)への遅延リスクもあります。過去のアップグレードでも遅延の実績があるため、公式発表を随時確認することを推奨します。アップグレード前後に価格が動きやすい傾向があるため、注目度の高いイベントです。
Q. GlamsterdamとHegotaの違いは何ですか?
GlamsterdamはL1の処理性能向上(並列処理基盤・ブロック生成時間半減)が主目的で2026年前半予定、HegotaはVerkleツリー導入によるノード運用コスト削減・プライバシー保護強化が主目的で2026年後半予定です。2026年はこの2回のアップグレードで、イーサリアムの「遅くて高い」という弱点に集中的に対処する計画です。
まとめ
イーサリアムが「オワコン」と言われる理由は、楽観論で片づけてはいけない正当な批判を含んでいます。
価格がビットコインに大きく劣後していること、L2の吸血効果でETH保有者への還元が薄いこと、クロスチェーン地獄による使いにくさ—これらはイーサリアム創設者自身も認めた実在する課題です。
しかし同時に、DeFi市場約55%のシェア(TVL約700億ドル超)、JPモルガン・ブラックロックによるRWA活用、イーサリアムETFへの機関投資家参入など、「金融インフラとしての地位」は過去最強水準にあります。
2026年は「Glamsterdam(前半)」「Hegota(後半)」の2回のアップグレードで、ガス代削減・処理速度向上・ノード運用コスト削減が段階的に実現される予定です。これらが「インフラとして強いが価格が上がらない」という構造的な問題の改善につながるかが、2026〜2027年のETH価格を左右する最大のポイントです。
「短期で価格が上がるか」という問いへの答えは「わからない、ただし構造的な課題がある」です。「長期的に価値があるインフラか」という問いへの答えは「現時点では有力な候補のひとつ」です。
オワコンかどうかは、あなたが何を期待しているかによって変わります。
免責事項 本記事は情報提供を目的としており、特定の暗号資産への投資を推奨するものではありません。記載内容は2026年3月26日時点の情報に基づいており、価格・サービス内容は変更される場合があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。