世界最大手の会計事務所であるデロイト(Deloitte)は、ブロックチェーン技術開発の新分野として急速に伸びているスポーツNFT(非代替性トークン)の取引額が2022年には、21年の2倍ほどの20億ドル(約2,260億円)に達するだろうとの予測を公表しました。
NBA、NFLなどスポーツリーグがNFT市場をリード
全米バスケットボール協会(NBA)公認の「NBAトップショット(NBA Top Shot)」は、試合中のハイライトをデジタルカード化したNFTサービスです。NBAトップ所っとは、ほかのスポーツ分野でも独自の市場を立ち上げさせるきっかけになっています。
NBAトップショットを提供するNFT市場をリードしているカナダの企業ダッパーラボ(Dapper Labs)は現在、全米フットボールリーグ(NFL)のためのNFTプラットフォームを構築中です。NFTを通じてファンと交流するリーグが増加していることを見ると、デロイトの予測は信頼性が高まります。
スポーツ団体の柔軟な適応性がNFT受け入れを加速
デロイトUSスポーツのピート・ジョルジオ(Pete Giorgio)氏は、米スポーツ経済メディアの「Sportico」とのインタビューで、2022年スポーツ界におけるNFTの将来について語り、米国のスポーツファンは最大500万人がNFTに熱中するだろうと予測しています。
ジョルジオ氏は「いろいろな意味で、NFTは暗号技術とブロックチェーン技術双方がなしうることの始まりに過ぎない。組織がこれら技術を活用し始めることで、彼らがほかにどのようなこと行っていくのか非常に興味深い」と語ります。
同氏はまた、スポーツ業界が未来のインターネットにどのように適応するかについて語り、「スポーツ団体は、最も適応性の高い組織の一部であると思う。業界がその機会の大きさを理解すると、迅速に活用することになるだろう」とコメントしました。
デロイトと提携したアバランチにも注目
デロイトは11月、仮想通貨アバランチ(AVAX)のブロックチェーンを開発するアバラボ(Ava Labs)と戦略的提携関係を結びました。同社のブロックチェーン「アバランチ(Avalanche)」は、高い計算処理能力と低コストを誇ります。
アバランチは、分散型金融(DeFi)アプリケーションの1つであり、デジタル資産、取引プラットフォームのインフラストラクチャーを提供します。ブロックチェーンの基軸通貨であるAVAXは2020年9月にメインネットを立ち上げました。そして2021年に入り注目を集め、AVAXの価格も大きく上昇しています。
参考
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