【墨汁速報】米SEC1200億円仮想通貨トラブルのジェネシスとジェミニを未登録証券提供で起訴

約1200億円の仮想通貨トラブルを抱えているジェネシス・トレーディング(Genesis Trading)とウィンクルボス兄弟のジェミニ(Gemini)は「未登録の仮想通貨資産証券をレンディングプログラムを通じて提供した」として米証券取引委員会(SEC)に起訴された。ジェミニの顧客資産を凍結しているジェネシス・グローバルは米連邦破産法の第11条、通称チャプターイレブンの申請で破産を模索している。

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SECがジェネシスとジェミニを起訴

米証券取引委員会(SEC)は13日、ジェミニ・アーン(Gemini Earn)として顧客に仮想通貨レンディングで高い金利を提供していたジェミニとその提携先で貸付先となるジェネシス・トレーディングの“ジェネシス・グローバルLLC(Genesis Global LLC)”を「未登録の仮想通貨資産証券を提供した」として起訴。この仮想通貨レンディングを通してジェミニとジェネシスの両者は数十億ドルを数十万の投資家から調達したという容疑。ジェネシスは約1200億円のジェミニ顧客資産をFTX破綻を理由に凍結しており、破産の可能性を模索している。

SECによると他にも証券取引法違反の疑いがあり、他の企業や人物の調査を行うとしている。ジェネシス・グローバルの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(DCG)に対してジェネシスとDCG間の送金についてSECが調査を開始したとリーク報道が事前にあったが、同社は否定していた。

 

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仮想通貨レンディングは証券か?

SECによると2020年12月にジェネシスはウィンクルボス兄弟のジェミニと米国の個人投資家を含む一般投資家に対してジェミニ・アーンを介して金利の支払いを行う仮想通貨レンディングを提供する契約を行なった。2021年2月初旬、ジェネシスとジェミニは「ジェミニ・アーン」の提供を開始し、投資家はジェミニを介してジェネシスへの貸付を開始。さらにジェミニは管理手数料として最大で4.29%を徴収していた。

レンディングが証券にあたるとしてSECは2021年から2022年にかけて厳しい追及をしており、破産した米レンディング企業最大手ブロックファイ(BlockFi)には2021年末に1億ドルの罰金で和解しており、2021年9月に仮想通貨上場企業のコインベース(ティッカー:COIN)が仮想通貨レンディングを提供しようとした際に「証券取引法違反で起訴する」と忠告していた。

DCGとジェミニのトラブルは泥沼化

ジェミニの創設者であるテイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏はこのSECの訴訟に対して失望したとしており、「SECの訴訟は約34万人の債権者が凍結された仮想通貨を取り戻す助けにならない」と述べている。またテイラー氏はジェミニ・アーンはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)に登録されており、SECとは17ヶ月間協議してきたと批判、「切られた交通違反切符から身を守ることが楽しみだ」と皮肉っている。

一方でジェネシスの親会社であるDCGはジェネシスから2000億円以上のローンを借り入れていると言われており、資金捻出のために同社が保有する仮想通貨ベンチャー企業の株の売却を検討しているという。

DCGのポートフォリオには現在SECと訴訟中のリップル社や上場している仮想通貨取引所最大手のコインベース(Coinbase)、同じく取り付けさぎで巨額の出金を抱えるシルバーゲート(Silvergate)銀行や国内仮想通貨取引所ビットフライヤー(bitFlyer)など仮想通貨業界最大手の名前を連ねている。ビットコイン価格が19000ドルを目指して回復する一方で、業界最大手企業同士の巨額の金銭トラブルは泥沼化し、他企業への影響も波及する可能性に注意したい。

 

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