【墨汁速報】運用資産1330兆円のブラックロックが仮想通貨事業に参入 機関投資家にアクセス提供

世界最大の資産運用会社「ブラックロック(BlackRock)」は機関投資家クライアント向けにビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨投資を提供するため、米仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)と提携。この報道でコインベース株価は2倍に一時的に高騰した。

関連記事:【墨汁速報】仮想通貨取引事業に"シタデル・セキュリティーズ"世界最大手マーケットメイク会社が参入

ブラックロックが4年の時を経て仮想通貨に参入

運用資産1,330兆円を誇る世界最大手の資産運用会社「ブラックロック」は、機関投資家クライアント向けにビットコインやイーサリアムの仮想通貨投資を提供するためにコインベースと提携したと発表。

コインベースは4年前となる2018年にビットコインETFを申請するためにブラックロックと話し合いをしていたものの、同年ブラックロックのCEOは「ビットコインはマネーロンダリングのインデックスだ」と批判していた。

さらに「ブラックロックの機関投資家クライアント達はビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を購入したいとは考えていない」と明確に否定していたことで知られている。今回の発表ではコインベースは「ブラックロックはコインベースを選んだ」と題名付けており、4年の時を経てついにブラックロックが仮想通貨業界に参入したことになる。

機関投資家はコインベースを通じて仮想通貨市場にアクセスを開始

機関投資家は、ブラックロックが提供する「アラジンポートフォリオ管理ソフトウェア(Aladdin portfolio management software)」を介して仮想通貨市場にすぐにアクセスすることができるようになるという。

コインベースは当初ビットコインとイーサリアム、ライトコインの3種類しか取り扱いがなかったが、現在ではバイナンスのビジネスモデルを真似て150種類以上の仮想通貨を取り扱っている。

初期段階ではブラックロックからアクセスできるのはコインベースプライム(Coinbase Prime)が提供するビットコインのみとなっており、次第にイーサリアムやDeFi銘柄などにも対応していくと見られる。コインベースプライムとは仮想通貨の売買、カストディ(保管)プライムブローカレッジを提供する同社のサービスだ。

暴落中のコインベース株価が一時2倍に

一方でコインベースは2021年4月にナスダックに上場後に429ドルを記録した後、2021年末から続く仮想通貨暴落により10分の1となる40ドルまで下落していた。同社はハッキングこそないものの多くの不祥事を起こしており、2021年3~5月には6000アカウントの不正アクセスと仮想通貨の不正流出、2021年12月には2015~2018年に出来高を偽装するために仮装売買をしていたとしてCFTCに罰金支払いを命令されている。

また2022年に入っては元従業員がインサイダー取引で逮捕されており、そのたびに株価が下落してきた。ブラックロックとの関係は4年以上となっており、仮想通貨市場の影響を直に受けるビジネスモデルからもこのブラックロック参入が大きな集大成となったと言えるだろう。

関連記事:【墨汁速報】米コインベース 過去にビットコインなどの仮装売買を行ったとしCFTCが罰金支払い命令

▼墨汁サロンでは投資家向けにDeFiやイーサリアム2.0の最新動向や32ETHステーキングのやり方の解説や検証、テクニカル分析理論、ファンダメンタルなどをより深く解説しています。

墨汁バナー

墨汁うまいと学ぶ仮想通貨の世界

おすすめの記事
イーサリアムベルリンのETHへの影響は? 同期できないバグの原因
テクノロジー
イーサリアムベルリンのETHへの影響は? 同期できないバグの原因
イーサリアムは2021年初の大型アップデート「ベルリンハードフォーク」を実装。この実装では、イーサリアムクライアントOpenEthereum(元Parity)に不具合があり、一部サービスに影響が出ました。本稿ではベルリンアップデートのトラブルとETHにどのような影響があるのかについて解説します。