仮想通貨レンディング企業のセルシウス(Celsius Network)は、12月2日にBadger DAOで起きた被害額100億円を超えるハッキングの被害者であることを認めた。セルシウスは、Badger DAOのハッキング被害の中で一番大きな被害となっていた約56億円相当の約900BTCを失ったユーザーではないかと疑われていた。
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セルシウス(Celsius Network)がBadgerハックの被害者と認める
セルシウス(CEL)はビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を預け入れることで金利を得ることができるブロックファイ(BlockFi)と同様の仮想通貨レンディング企業だ。セルシウスはレンディングをしている顧客やクライアントは被害に遭ってないと主張しており、安全であるという。
約900BTCをBadger DAOで盗まれたのは、セルシウスがイーサリアム上でビットコインを運用していたDeFiウォレットであり、これらの損失はユーザーが負うものではないとしている。
.@CelsiusNetwork is assisting the Badger team on the resolution & return of its funds. Our security team initiated a full scan of all Celsius DeFi wallets. We identified a compromised withdrawal & immediately shut down the attacker’s access to funds on the Badger platform. (2/5)
— Celsius (@CelsiusNetwork) December 3, 2021
失われたビットコインはセルシウスのものか?
セルシウスはウィンクルボス兄弟のGeminiがバックにつくBlockFiより高いAPY(年間金利)を提供している一方、Bloombergの報道などによるとテザー社から10億ドルを借入し、金利を5~6%支払っているという報道などから色々疑惑のあるレンディング企業だ。
BTC速報:テザー社はビットコインを担保にCelsius Networkなどの仮想通貨企業へ数十億ドルを貸し付けているとBloombergが報道。10億ドルの借入に対し、金利を5〜6%支払っているというhttps://t.co/krxXvvCoid#ビットコイン #仮想通貨 #Bitcoin #Tether #USDT #DeFi #イーサリアム
— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) October 7, 2021
そのため今回のBadger DAOで失った約900BTCは「顧客の預入ビットコインではないか」という疑問が浮上した。一方でセルシウスは過去にICOを行っており、独自トークン「CEL」の販売利益が約56億円ほどある。これらの資金をビットコインにし、キャピタルゲインを得つつ運用していたとすれば今回のBadger DAOハックの被害はセルシウス自身の運用資金だろう。
しかし、セルシウスは顧客が借入できるのはステーブルコインかドルだけであるため、貸付られているビットコインを運用していたと考えるのが妥当だろう。
2022年はレンディング企業にとって波乱の年か?
米国におけるレンディングは、コインベースが提供しようとした金利4%のレンディングサービスをSECに証券取引法違反として訴えるとされ、業界自体が警戒気味となっている。高金利レンディングとして話題となった元祖レンディング企業のBlockFiもSECによる調査を受けているとされている。
またセルシウスは金融犯罪取締ネットワークであるフィンセン(FinCEN) から資金移動業としてのMSBを認可されているため、Badger DAOハックの被害が本当にセルシウスの運用分なのか借入分なのかは不明だが、米国ニュージャージー州を拠点とするセルシウスもSECに目をつけられることは避けたいと考えているだろう。
2021年にはSECは米国初のProSharesのビットコイン先物に連動するビットコインETFを承認、価格面でも最高値を更新しておりこれらの経緯から2022年にはこれらのレンディング企業は波乱の年となるだろう。
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