FTXは仮想通貨レンディング企業のセルシウス(Celsius)の買収または財務支援に興味を示していたものの、セルシウスの仮想通貨における財務状況から一転、取引を取りやめたという。
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FTXはセルシウス(Celsius)買収などの取引を取止
2つのソースによるリークによると、米仮想通貨取引所最大手のFTXはDeFi運用などでトラブルを抱えている仮想通貨レンディング企業のセルシウスの買収などの取引を断念した。
FTXはセルシウスの仮想通貨運用における財務状況を見て取引をとりやめたとしており、別のリーク者によるとセルシウスの資産を表す貸借対照表には20億ドル(約2714億円)の損失が理由だとしている。
当初FTXはセルシウスの買収か財務支援を行うことに興味を示していたものの、財務状況を確認してからは一変、現在は完全に取引の話はなかったことになったという。
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セルシウスの仮想通貨引出し停止から2週間経過
セルシウスは仮想通貨レンディング企業であり、仮想通貨投資家に高い金利を払うことで資産を預入させ、その仮想通貨をイーサリアム上の分散金融(DeFi)やイーサリアム2.0のステーキングなどで運用することで利益を得ていた。
一方で6月13日に仮想通貨の急変動を理由に顧客の資産引出しの一時停止を発表。さらに売買や顧客同士の送金も禁止しており、ユーザーは資金拘束されて引出しができない状態が2週間以上経過していることになる。
ビットコインは引出し停止時の290万円から最大で50万円の下落を記録しており、利確や損切りもできない状態の中セルシウスの損失は加速する一方となっていることになる。イーサリアム上での資産運用は継続しており、FTXという救世主の取引がない今は顧客資産が引き出せる見通しはない。
セルシウスは破産申請を拒否
このような危機的な状況の中、セルシウスは新たに迎え入れた顧問弁護士からチャプター11破産申請を進められている。一方でセルシウス経営陣はこの破産申請を拒否しており、ユーザーが自身で一時的な資産凍結を行うHODLモードでこの考えを支援することを求めているようだ。
一方で仮想通貨市場は度重なる下落に疲弊しており、回復の兆しが見えないことからこのまま債権者となった場合、資産のさらなる目減りのリスクがより一層増加している。
FTXの買収という救済案が難しい今、仮想通貨市場へさらなる悪影響を与える前にセルシウス陣営の賢明な判断が待たれる。
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参考:FTX walked away from a deal with Celsius after seeing state of its finances: sources