Kyber Network(カイバーネットワーク)CEOが語る、分散性の重要性や今後の展望とは?

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Kyber Network(カイバーネットワーク)今後の展望:CEOのLoi Luu氏にインタビュー!

Kyber Network(カイバーネットワーク)のCEOであるロイ・ルー氏(Loi Luu)にインタビューしました。新しいスケーリングソリューションであるGormos(ゴルモス)の話題から、最近発表され注目を集めているWBTC(Wrapped Bticoin Tokens)の話題までをお届けします。

Kyber Network(カイバーネットワーク)の理念について

ーー本日はよろしくお願いします。それでは、最初の質問です。
Kyber Networkの理念は”Any token Anywhere (あらゆるトークンをどこででも)”を掲げ、オンチェーン流動性プロトコルの開発に注力していますよね。トークン社会を前進させるために「流動性」に焦点をあてている理由はなんですか?

私たちは、あらゆるトークンをさまざまなアプリケーションで利用できるようにすることに取り組んでいます。現在、ほとんどのアプリケーションは独自のトークンを発行しています。もし、あなたがそれとは違うトークンしかもっていなければ、アプリケーションを利用できません。そこで、Kyber Network(カイバーネットワーク)は、あなたの持つトークンとアプリケーションの独自トークンの交換を簡単にします。

つまり、Kyber Network(カイバーネットワーク)のオンチェーン流動性プロトコルは、トークンを即座に交換することを可能にするのです。このように私は、独立して存在しているさまざまなトークンエコシステムをイーサリアム上のすべてのユースケースが持つ価値と結びつけたいのです。

そうすることによって、私たちはいろいろなユースケースが与える価値をイーサリアム上で享受することができます。これはユーザーエクスペリエンスを高め、分散化社会の現実世界への適応に大きく貢献することになるでしょう。

ーー確かに、クリプトの世界では、さまざまなネットワークがそれぞれ独自のトークンを持ち孤立していて、非常に不便です。Kyber Network(カイバーネットワーク)のソリューションはユーザビリティを飛躍的に高めるでしょうね。

Kyber Network(カイバーネットワーク)今後の展望:CEOのLoi Luu氏にインタビュー!

仮想通貨ハッキング・詐欺への対策とは?

ーーさて、クリプトの世界を悩ます別の問題といえば、セキュリティーです。ハッキングが日常的に起こり、日本でも例外ではありません。しかしながら、Loiさんは過去のインタビューで、Kyber Network(カイバーネットワーク)のシステムは高い安全性を持つと発言していますね。ハッキングのリスクは存在しないのでしょうか?

おっしゃる通り、詐欺やハッキングは頻繁に起こっていますね。しかし、Kyber Network(カイバーネットワーク)は、セキュリティに関して非常に用心深いと言えます。Kyber Network(カイバーネットワーク)のスマートコントラクトは入念に精査されています。さらに、いかなる段階でもユーザーの秘密鍵を預かることがないため、ハッキングのリスクは限りなくゼロに近いといえます。

ディベロッパーフレンドリーとは具体的にどんなこと?

ーーなるほど、ありがとうございます。次の質問に移ります。
Kyber Network(カイバーネットワーク)のシステム統合は非常にディベロッパーフレンドリーであると公式サイトに記載してあります。ただ、ディベロッパーフレンドリーを謳っているプロジェクトはたくさんある印象です。どのような点において、ディベロッパーフレンドリーであるか教えてください。

Kyber Network(カイバーネットワーク)が、どうしてディベロッパーフレンドリーかと言いますと、それはすべてブロックチェーン上のスマートコントラクトで行われているからです。Kyber Network(カイバーネットワーク)のシステムを統合することは非常に簡単です。もし、あなたが自身のスマートコントラクトを持っていれば、たった一行コードを追加するだけで完了できます。

実際に、Kyber Network(カイバーネットワーク)の知識ゼロの状態からほんの数日で、Kyber Network(カイバーネットワーク)と統合して、面白いものを作った例はいくつもあります。

また、あなたが従来の中央サーバーとシステム統合するとなると、そのサーバーを完全に信頼する必要が生まれます。しかし、スマートコントラクトとシステム統合するといことは、そのスマートコントラクトが正しく振舞っているか常にチェックできるということです。これは、とても大きいと思います。

Kyber Network(カイバーネットワーク)今後の展望:CEOのLoi Luu氏にインタビュー!

ーーそれなら僕でもできそうですね!ちなみに、Kyber Network(カイバーネットワーク)のディベロッパーコミュニティーの雰囲気はどんな感じでしょう?

これは、イーサリアム(Ethereum)系のプロジェクトにおいて顕著だと思うのですが、非常に活発で親切です。全員が、初心者に対して優しく、質問にも気軽に答えています。

ーー日本の開発者がKyber Network(カイバーネットワーク)を利用するメリットはありますか?

透明性と安全性という点において、Kyber Network(カイバーネットワーク)は非常に優れていると思います。全てをスマートコントラクト上で行なっているので、全ての活動をチェックできますからね。Kyber Network(カイバーネットワーク)がメインネットをローンチして半年以上経ちますが、幸運なことに特に大きな問題は起こっていません。

新スケーリングソリューション「Gormos(ゴルモス)」の目指すものとは?

ーー次は少し小難しい質問です。
ご存知の通り、ブロックチェーンのトリレンマとは、拡張性(Scalability)、分散性(Decentralization)、安全性(Security)は、一度に実現できないというものですが、Kyber Network(カイバーネットワーク)の新しいスケーリングソリューションであるGormos(ゴルモス)は、この常識を打ち破ることを狙っているようですね。Gormos(ゴルモス)の目指すところについて解説していただけますか?

ブロックチェーンのトリレンマは非常にマクロな議論ですよね。そのため、ブロックチェーンの全体像を表現するには少し大雑把ではないかと思っています。一方、いい面もあります。それは、人々にトレードオフを意識させることです。

例えば、拡張性(Scalability)に注力したブロックチェーンを見る時に「それが犠牲にしているものは何か?」という洞察を与えるということですね。しかし、ブロックチェーンのトリレンマから抜け落ちている大事な要素もあるわけです。例えば、利便性(Usability)などですが、ここで肝となるのは「機能特化性(Application Specific)」です。

現実世界において、私たちはさまざまなトレードオフを経験しています。具体的に考えてみましょう。まず、CPU(中央演算処理装置)です。これは、あらゆる機能を無難にこなします。次に、GPU(リアルタイム画像処理に特化した演算装置)を見てみましょう。これは、グラフィックに関する機能を特意としています。

つまり、機能が絞られた代わりに、特定の分野において高いパフォーマンスを出すようになったということですね。最後に、ASIC(特定用途向け集積回路)です。これは、一つか二つのアプリケーションにしか使うことができません。しかし、とてつもなく早くスケール可能(Scalable)です。

Kyber Network(カイバーネットワーク)今後の展望:CEOのLoi Luu氏にインタビュー!

ここで、私たちは先に挙げた具体例のようなトレードオフをブロックチェーンで実現できないかと考えました。ある特定のデザインにおいて(機能特化的に)、拡張性(Scalability)、分散性(Decentralization)、安全性(Security)を一度に実現することはできないかということです。これが、Gormos(ゴルモス)の核となるアイディアです。

もちろん、Gormos(ゴルモス)は、多くのアプリケーションで利用することができます。しかし、すべてのアプリケーションにおいて、新しいデザインを持つ必要があるということです。それは、あるアプリケーションだけのために(機能特化的に)作られたデザインです。

分散性の重要性とは?

ーーこの話と少し関わるかもしれませんが、近頃、EOS(イオス)やCOSMOS(コスモス)などのDPOSアルゴリズムを採用した高速パブリック・ブロックチェーン・プロトコルが注目を浴びています。しかしながら、早速バリデーターの談合など中央集権的な問題が発生しています。Loiさんはこれらのプロジェクトについてどのような意見をお持ちですか?

ブロックチェーンのトリレンマの話であったように、分散性(Decentralization)を犠牲にして拡張性(Scalabilty)に注力したのがDPOSですよね。つまり、ブロック承認が少数のノードによって行われるため相対的に中央集権的です。ユーザーがトレードオフによって失われたものが何かを認識していれば、個人的には悪くはないかなと思っています。

ーーユーザーは、分散性の重要性をしっかり認識しているとお考えでしょうか?

ある種の啓蒙は必要かもしれません。DPOSの目指す世界線とビットコインやイーサリアムが目指すそれは違いますからね。

ーーもし、Loiさんがユーザーに「分散性が大事だよ」ということを説くとしたら、どのような言葉を選びますか?

まず、銀行のような中央集権的なエンティティを見て欲しいですね。上手くいっている機能とそうではない機能がありますよね。分散型システムでは、さまざまなパーティーが一緒になってシステム全体を支えています。もし、そのパーティーが20(EOSのバリデーター数は20)しかないとしたらどうでしょう?もっと分散化されたシステムが必要です。

Kyber Network(カイバーネットワーク)今後の展望:CEOのLoi Luu氏にインタビュー!

WBTC(Wrapped Bitcoin Tokens)発表について

ーーWBTC(Wrapped Bitcoin Tokens)の発表について拝見しました。これは、クリプト世界にとって重要な一歩になるだろうと感じました。このアイディアを形にするために大変だったことはありますか?

Kyber Network(カイバーネットワーク)は、ビットコインや他の仮想通貨をイーサリアムとつなげるソリューションをいつも模索してきました。今回、私たちはイーサリアム上のアプリケーションにユーザーがビットコインを利用できるようにするプロトコルをサポートしています。

Kyber Network(カイバーネットワーク)は、過去にイーサリアム・クラシックをイーサリアム上につなげましたが、それとは異なるソリューションです。始まったのは、ほんの数ヶ月前の話で、BitGo(ビットゴー)とRepublic Protocol(リパブリックプロトコル)とパートナーシップを結んで、WBTC(Wrapped Bitcoin Tokens)のプロジェクトのイニシアティブをとることをしました。これは、イーサリアムのエコシステムにとって良い影響を与えるでしょう。

ーービットコイン以外の仮想通貨にも範囲を広げていくことはありますか?

はい、あります。WBTC(Wrapped Bitcoin Tokens)のローンチは来年の1月ですが、他の仮想通貨に関してはスケジュールはまだ固まっていません。

最後に、読者へ向けたメッセージ

ーーたくさんのお話、ありがとうございます。大変勉強になりました。最後に、Coin Choiceの読者にメッセージをお願いします!

私は、ブロックチェーンや仮想通貨の世界はとてもエキサイティングだと考えています。まだまだ業界はアーリーステージ(初期段階)にあり、ほとんどのことが実験的です。業界に飛び込みたければ、しっかり勉強もしましょう。個人的には、もっとたくさんのブロックチェーンのエンジニアやデザイナーを会うことができれば、素晴らしいと思います。そうすれば、クリプトはもっとアダプション(適応)され、世の中には面白いアプリケーションで溢れるでしょう。

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(聞き手・五月雨まくら

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