どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。SEC(米国証券取引委員会)は2021年10月に米国初となるビットコイン先物の価格連動を目指すビットコインETFを承認し、ビットコインが市場最高値を超えて800万円目前まで高騰しました。このビットコインETFの承認は次のステップとなるイーサリアムETFの承認が見えてきていると言えるでしょう。
本稿ではイーサリアムETF承認の可能性と今後について詳しく解説します。
イーサリアムETFの申請
ケリー・ストラテジック・マネジメント(Kelly Strategic Management)は、CMEイーサリアム先物の価格をトラックするイーサリアムETFをSECに申請。SECへの申請はFORM N-1Aを使用されており、このイーサリアムETFは1940年投資会社法 485(a)(2)に基づいてSECが問題がないと判断した場合に75日後に承認されるというものです。
今回申請されたイーサリアムETFは「Kelly Strategic ETF Trust」で、テイッカーは$XEとなっています。
出典:SEC - Kelly Strategic Managementが申請したイーサリアムETF
イーサリアムETFは承認されるのか?
Kelly Strategic Managementが申請したイーサリアムETFは承認までの期間が短く、承認される可能性は低いと言えるでしょう。
ProSharesのビットコインETFが承認されるまでに、CEMはビットコイン先物関連プロダクトとして、「ビットコイン先物」「マイクロビットコイン先物」「ビットコイン先物オプション」をローンチしています。
CMEは12月6日にコントラクトサイズを大幅に下げた個人投資家向けのマイクロイーサリアム先物のローンチを控えており、さらにイーサリアム先物はビットコイン先物から遅れること4年後の2021年2月8日にローンチしているため、これらのことを考慮すると市場の成熟具合などを判断するにはまだ期間が足りないという印象があるでしょう。
イーサリアムETF申請取下げ
またProSharesとVanEckのビットコインETF承認に際し、SECは両ファンドにイーサリアム先物ETFの申請を取下げさせています。これは上記で見たCMEのイーサリアム先物をベースにし、市場の需要や成熟度を測ることを考慮すると連続で承認するというリスクを考慮したものと考えると妥当でしょう。
またビットコインはゴールドと似たインフレ対策の投資クラスの1つである一方、イーサリアムはNFTやDeFi(分散型金融)、さまざまなコントラクトなどを構築でき、さらにロンドンアップデートで実装されたEIP-1559によるETHのバーン(焼却)やETH2のステーキングなどさまざまなユースケースを持ち、現在ではブロックチェーンで最大のエコシステムを有しています。
これらの市場や需要の性質の違い、CMEのイーサリアム先物プロダクトのローンチを考慮するとイーサリアムETFの承認は早くても2022年中盤以降と考えられるでしょう。Kelly Strategic ManagementのイーサリアムETF承認はされる確率は低くても、仮想通貨で最も大きな存在感を示すイーサリアムはビットコインETFの次の事例となるイーサリアムETFがSECに承認されるのは時間の問題となります。
出典:SEC - ProSharesのイーサリアム先物ETF申請取下げ
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