Solana(ソラナ)にとって2020年10月は新たなステーブルコインの導入、イーサリアムやWavesとの連携、NFTマーケットの誕生、エンターテイメント領域のアプリケーション移行の話題などDeFi(分散型金融)領域だけでない新たな展開を見せた月でした。
下記は2020年10月のソラナに関係する取り組み一覧です。
- Wormhole(ワームホール)及び、ハッカソン開催:イーサリアムとソラナを連携するソリューション
- チェーンリンクオラクルをソラナに統合する助成金プログラム開催
- Wavesとソラナの連携発表:Gravityプロトコルの統合によりWavesとの相互運用性が確保される予定
- Serum(セラム)ベースのDEX:YMAX、Cryptocurrencies.Ai
- 新しいSPL規格が誕生し、NFT作成可能に
- 分散型音楽ストリーミングプラットフォームAudiusがソラナへ移行表明
- SerumSwap(AMM)ローンチ
- Circle社のUSDCステーブルコインのサポート発表
- BonfidaがSerumベースのNFTマーケットプレイスSolibleをローンチ
この内、特に話題性の高いトピックのみを以下簡単にご紹介します。
ワームホールハッカソン開催
ワームホールとはソラナとイーサリアム間の連携を実現するソリューションです。イーサリアム上のERC20トークンをソラナ上のSPLトークンに変換できるというものです。
今回のワームホール発表と同時に発表されたワームホールハッカソンは10月28日から11月14日まで開催されており、賞金額は最大30,000ドル(USDC-SPL建て)です。DeFi(分散型金融)、ゲーム・NFT関連、ガバナンスなど複数のカテゴリーで募集しています。
Solana Wormhole Hackathon:https://solana.com/hackathon
またハッカソン開催期間中に業界内の著名ゲストを招いたイベントを行っており、例えばDeFiの将来やNFT、相互運用性、流動性プールなどをテーマにしています。各イベントの様子はソラナのYoutubeチャンネルで公開されています。
分散型音楽ストリーミングプラットフォームがソラナエコシステムに参加
Audiusとは、スポティファイ(Spotify)などの従来の音楽ストリーミングサービスをブロックチェーン技術で代替することを目的とした分散型プラットフォームです。クリエイターとファンの新たな関係性を構築し、これまでにないユーザー体験をもたらす場として注目されます。
今回のソラナブロックチェーン移行表明は、Audiusが実現したいコンセプトを達成する上で、従来のWeb2.0と同等レベルのユーザー体験を提供することが不可欠な要素であったという背景があります。今後いくつかの段階を経て、来年2021年中旬ごろにソラナに移行していく予定です。
USDCがソラナに対応
ステーブルコインUSDCがソラナに正式対応しました。執筆時点ですでに2,500万ドル(約25億8,000万円)相当のUSDCが発行されています。Coin98やSolletなどの複数のウォレットが対応済みです。
また前述したワームホールハッカソンの賞金はSPL規格に準じたUSDC(USDC-SPL)で支払われる予定です。
Serum&Solanaベース初となるNFTマーケットプレイスSolible
BonfidaがSerumとソラナをベースとした初のNFTマーケットプレイス「Solible」を構築しました。ソラナベースのNFTマーケットプレイスということもあり、取引手数料の安さと処理速度の高速性がマーケットとしての魅力と言えます。
またBonfidaは香港のビットコイン協会と提携し、Solible上に換金可能なNFT「Bitcoin Tram」(上画像)を上場してオークションを開催しています。NFTというトークン規格自体がSolana上でリリースされたばかりなので、執筆時点では多くのNFTがリストされているわけではありませんが、今後ソラナブロックチェーン上にNFTを利活用するdAppyが増加してくれば、低コスト高速処理を行えるNFTマーケットプレイスとしてSolibleの重要性が増してくるのではないでしょうか。