イーサリアム(ETH)の今度はどうなる?マイニングの終了とPoSへの完全移行

どうも、墨汁うまい(@bokujyuumai)です。イーサリアムは今年から来年にかけて、マイニングを不要とするPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への完全移行を行う準備をしており、当初の計画より2~年早まっています。本稿ではイーサリアムが今後どうなるのかについて、最新の動向について詳しく解説を行います。

イーサリアムのPoS移行

イーサリアムは、2015年のローンチ前からマイニングを必要としないPoSへの移行を前提にスタートしました。約6年の月日が経ち、PoSへの完全移行の目処が今年から来年にかけてということが決まりました。

これは現在動いているイーサリアムと並行して存在し、PoSを採用して動いている「イーサリアム2.0」との統合を行うことで、現在マイニングを必要としているイーサリアムを完全にPoS化してしまうというものです。

つまりイーサリアムは早ければ約半年以内にマイニングが終了し、32ETHをステーキング(預入る)するPoSへ完全移行するということになり、マイニングによる新規発行のETHやトランザクション手数料の収益は得られなくなるのです。

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イーサリアム2.0と当初の予定

イーサリアム2.0とは、イーサリアムが6年の月日をかけて研究、開発を行ってきた独自のPoS「Casper FFG」を採用した次世代のブロックチェーンで、2020年12月にローンチしました。現在のイーサリアム2.0はDeFi(分散型金融)などが動いている

  • PoWのイーサリアム1.0(以下ETH1とする)
  • PoSのイーサリアム2.0(以下ETH2とする)

が並行して存在しており、当初の予定ではイーサリアム2.0を大きな実装段階ごとにフェイズ0からフェイズ4~まで順に開発していき、コントラクト実行が可能となるフェイズ2移行にPoSへ移行する予定でした。しかし、これでは開発に時間がかかってしまい、2~3年の期間を必要としてしまいます。

ETH1とETH2統合によるPoS移行

そこで現在はこの並行して存在するETH1とETH2を一つに統合してしまい、ETH1のマイニングを廃止して最小限の変更でイーサリアムを完全にPoS化するという動きとなっています。このETH1とETH2の統合では、イーサリアム2.0へ完全移行する際に問題とされていた下記などを避けることができます。

  • ハッシュレート低下によるセキュリティ不安
  • PoSへの移行反対によるネットワーク攻撃
  • コントラクトの移行問題

イーサリアムの早期PoS化の利点

例えばイーサリアム2.0へ移行するためにステーキングのセキュリティを確保するためにETHの供給量を下げてETH1を破棄する場合、移行するまでにハッシュレートが低下することでセキュリティが今より下がる可能性があります。

またPoSへの移行は前提だったとしても、マイナーは収益が第一と考えているためこちらも造反の可能性があります。実際にイーサリアム手数料モデルを変更するEIP-1559がロンドンでの実装決定に伴い、手数料収入が下がることに反対するために51%攻撃を計画するなどの動きを見せたことがあります。

そしてイーサリアム2.0への移行にはコントラクトや各EOAアカウント(ウォレット残高など)のステートと呼ばれる状態を移行する必要がありますが、ETH1とETH2の統合ではエコシステム全体がPoS化するため、この問題を先送りすることができるということです。

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イーサリアムマイニングの問題

一方でイーサリアムのマイニング終了は多くの問題を生みます。イーサリアムのハッシュレートは現在630TH/sを推移しており、一時700TH/sに迫っています。これは例えば全部をGPUであると仮定(ASICは稼働してないとする)し高性能GPUで1枚50MH/sであるとした場合、単純に1,400万枚のGPUが稼働しているということになります。

つまりブロックチェーンで最も多くのGPUがマイニングに使用されており、2021年内にPoS化してマイニングが廃止されると、この1400万枚のGPUが別のPoWブロックチェーンに移行していくことになります。

ビットコインやライトコインなどのマイニングの定番仮想通貨は、ASICという専用のマイニングマシンでないとマイニングできないため、イーサリアムクラシックなどのGPUマイニングが可能な限られたブロックチェーンに移行するしかありません。

もちろん収益性は電気代が大きく関わってくるので、多くはマイニングを終了することになりますが、継続する場合には収益性が低くなるということになります。ブロックチェーンのセキュリティという観点では、イーサリアムからハッシュレートが分散することでセキュリティが上がる一方、マイナーにとっては致命的なイベントということになるでしょう。

イーサリアム(ETH)の価格・相場・チャート

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