香港のブロックチェーン企業であるアニモカ・ブランズ(Animoca Brands)は12月6日、子会社を通じて音楽メタバース・ゲームプラットフォームであるピクセリンクス(PIXELYNX)の株式の過半数を取得したと発表した。アニモカ・ブランズは、今回の株式取得により、ゲームやWeb3技術、およびコミュニティとの統合を通じて、音楽業界の未来を支えるスタジオ、インフラ、技術を構築、投資を行っていく。
メタバース全体に拡張可能な新しい音楽消費形式の開発に注力
ピクセリンクスは、ロサンゼルスを拠点とする音楽とゲームの企業であり、5カ国で事業を展開している。さらに同社は、音楽とゲーム、Web3の境界線が曖昧な製品を構築することで、アーティストとファンのための物理的およびデジタルなエコシステムを構築することを目指している。
ピクセリンクスが運営する次世代モバイルゲームプラットフォームのエリンクスア(ELYNXIR)では、ファンは限定音楽コンテンツやゲーム内の収集品、プレイ可能な没入体験を通じて、お気に入りのアーティストに近づくことができる。今後、エリンクスアは、相互運用性、オープンスタンダード、新しいインタラクティブAVフォーマットに重点を置きながら、アニモカ・ブランズのエコシステムに統合される予定だ。
さらに、アニモカ・ブランズとピクセリンクスは、戦略的適合性の観点から、メタバース全体に拡張可能な新しい音楽消費形式の開発に注力する。そして、両社が持つエンターテインメント分野のプラットフォーム、インフラ、権利所有者のグローバルネットワークへのアクセスを通じて、新しい収益機会を生み出す予定だ。
音楽業界の新時代の始まりを意味する
アニモカ・ブランズのヤット・シウ(Yat Siu)共同創業者は、「ピクセリンクスは、中央集権型から分散型への大きな技術シフトの中で、音楽業界に新たな道を切り開くニューウェーブの1つだ。我々は、ピクセリンクスを成長するアニモカ・ブランズのファミリーに迎えることができ、世界中の人々のために新しく革新的な体験を構築しながら、音楽業界の最前線を形作る手助けをすることを楽しみにしている」と語っている。
ピクセリンクスのインダー・プール(Inder Phull)CEO(最高経営責任者)は、「アニモカ・ブランズは、オープンなメタバースという共通のビジョンを構築する上で、圧倒的な存在感を確立している。この契約は、Web3やゲーム、トランスメディアコンテンツが、アーティスト、ファン、レーベルをサポートする新しいフォーマット、収益源、ビジネスモデルを解き放つ、音楽業界の新しい時代の幕開けとなるものです」とコメントしている。
参考
・Animoca Brands takes majority stake in music metaverse company PIXELYNX
【こんな記事も読まれています】
・FTXの破産はどこまで仮想通貨に影響する?連鎖倒産の経緯と今後
・2カ月でブロックチェーンゲームとメタバースへの投資額は約700億円超、ダップレーダーが発表
・ロボトゲームズ約21億円の資金調達に成功、a16zやアニモカ・ブランズなどから