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オラプレックス(Holaplex)でゼロからNFTをミントする最新手順【2025年版】
最終更新日:2025年10月29日
メタプレックス(Metaplex)がソラナ(Solana)におけるNFT標準と開発ツール群の“基盤”であるのに対して、オラプレックス(Holaplex)はコード不要(ノーコード)でも使えるミント/キャンペーン運用のためのスイート(Holaplex Hub)を提供しています。現在のHolaplexは「Hub」というWebアプリ&API群を中心に、コレクションの作成・ミントページの公開・ロイヤルティ管理・チーム共同作業・(必要に応じて)圧縮NFT(cNFT)の発行までカバーしています。
まずはソラナ(Solana)のウォレット連携から
Holaplexの最新UIでは、Holaplex Hub にアクセスし、右上の「Connect Wallet」→ウォレット選択で接続します。デスクトップはPhantom/Backpack/Solflareなど主要ウォレットに対応。モバイルはPhantomの「アプリ内ブラウザ」から目的サイトを開いて接続するのが推奨です(外部ブラウザ経由だと接続できないケースがあるため)
ウォレットの基本と選び方(Backpack/Phantom/Solflareなど)の概要は下記が参考になります。
※ウォレット連携の操作に慣れていない場合は、先にPhantom入門記事をご確認ください。
接続ができたら、Holaplex HubのOrganization/Project(管理単位)を作成します。プロジェクト内にDrop(ドロップ)を作り、ミント設定とミントページの公開までを一気に進められます。
NFTの名前など詳細を設定
Dropを作成したら、アセット(画像・動画・音声・3Dなど)をアップロードしてメタデータを設定します。HolaplexはMetaplex準拠のメタデータに対応しており、コレクション名や属性(Attributes)、1/1(One of One)やLimited Edition(枚数指定)などのエディション管理が可能です。
- 推奨ファイル:画像(JPG/PNG/GIF)、動画(MP4等)、音声(MP3/WAV等)、3D(GLBなど)。
※素材の最適化・容量制限は利用ストレージや配信環境に依存します。大容量の場合は圧縮・最適化のうえアップロードしてください。 - 名称・説明文:日本語でOK。後から編集できる項目とできない項目があるため、公開前に必ずプレビューで確認します。
- エディション:One of One(1枚のみ)/Limited Edition(同一作品を複数枚)を選択。過去のUIでは複数枚ミントが不安定なこともありましたが、現在はDrop単位での番号振り(#1〜N)に対応する運用が標準です。
過去の一部UIでは「複数枚がうまく発行されない」ケースが報告されましたが、最新のHubではDrop=限定枚数のセットとして扱う設計がわかりやすく、実運用に向いています。問題が出る場合はメディア容量やネットワーク環境、Guard設定(ミント条件)などを見直してください。
ロイヤルティ設定と注意点(Solana 2025の最新事情)
重要:旧情報として「デフォルト10%でうち2%がHolaplexへ」等の記述が見られますが、現行のHolaplex Hubはロイヤルティをクリエイター側で設定し、共有割合(Creatorsの取り分)を指定する方式です。Holaplexが自動で一定割合を徴収する前提ではありません(プロトコルやマーケットに起因する手数料は別途発生し得ます)。
また、Solana全体の事情として、2022年以降の「ロイヤルティ任意化」の流れを受け、MetaplexのProgrammable NFTs(pNFT)などでロイヤルティ遵守を技術的に担保する手段が整ってきました。確実なロイヤルティ運用を重視する場合は、pNFTや対応マーケットの利用を検討してください。
ミント方式の選択:通常NFTと圧縮NFT(cNFT)
Hubは通常のNFTに加え、コスト効率に優れた圧縮NFT(compressed NFTs)の発行にも対応しています。大量配布のキャンペーンや会員証・プロモ用途ではcNFTが有効です(コストはネットワーク・圧縮仕様・発行数で変動)。
料金を確認したらNFT発行へ
ミントにかかる費用は主にネットワーク手数料(SOL)と、ケースによりプロトコル手数料が関係します。MetaplexのCandy Machineを使った一般的なコレクションでは、作成時コストはミンター側に按分される設計で、クリエイター負担がゼロになるケースもあります。従来よく言及された「1枚あたり0.01 SOL」は失敗トランザクションへのペナルティとしてCandy Machineが導入したボット対策の文脈が中心で、固定費としての“発行単価”ではありません。実費はその時点のネットワーク状況と設定に依存します。
Holaplex Hub自体はFreeティアを提供しており、初期クレジット内でウォレット作成やcNFTのミントなどを試せます(本番運用のスケールや追加機能はプラン・クレジット消費に応じて検討)。
設定を確認したらミント(Mint)を実行し、ウォレットで署名して完了です。完了後はPhantom等のウォレット内「NFT」タブから発行結果を確認します。
ミントページの公開(ノーコード)
Hubでは「Deploying a Mint Page」のガイドに沿って、ノーコードで専用のミントページを公開できます。ブランドに合わせてホワイトラベル運用も可能で、Dropsと組み合わせて数量・価格・開始時刻・アローワリストなどの設定を行えます。開発者はHub API(GraphQL)で独自UIを拡張することも可能です。
Metaplexベースの補足(より高度な運用をしたい場合)
- Candy Machine(Sugar CLI):大規模コレクションの公平な販売に最適。Bot対策や各種Guard(購入条件)を細かく指定できます。
- Programmable NFTs(pNFT):転送ルールやロイヤルティ遵守など拡張的な制御が可能。
- 開発リソース:Metaplex公式ガイドやQuickNodeの最新手順が有用です。
トラブルシュートの要点
- モバイルで接続できない:Phantomのアプリ内ブラウザからサイトを開いて接続。外部ブラウザでは接続に失敗することがあります。
- 複数枚ミントが失敗する:Dropの最大供給数、Guard条件、メディア容量、ネットワーク混雑を確認。必要に応じて再設定し、テスト用の少量発行で検証します。
- ロイヤルティが反映されない:対応マーケットか/pNFTかを確認。ロイヤルティ遵守を重視するならpNFT+対応マーケットの組み合わせを選択。
Holaplexのコミュニティとサポート
Holaplexはドキュメント(Docs)/GitHub/Discordで活発に情報を公開しています。HubのRelease NotesやGuidesも随時更新されているため、仕様変更時はまずDocsを確認しましょう。
まとめ:Holaplexで“いま”最短のミント体験を
オラプレックス(Holaplex)は、Hubを中心としたノーコード運用で、ウォレット接続→アセットアップロード→メタデータ設定→Drop作成→ミント→ミントページ公開までを一気通貫で実現します。2025年時点では、圧縮NFTやpNFTといった最新仕様も視野に、ロイヤルティ運用や費用対効果を最適化しながら、ブランドの体験設計に合わせた柔軟な選択が可能です
参考リンク(一次情報/公式)
- Holaplex Hub(製品概要・Docs・Guides)
- Holaplex Hub Pricing(Freeティアとクレジット)
- Metaplex:Candy Machine/設定/公式ガイド
- Metaplex:Programmable NFTs(ロイヤルティ担保の最新動向)
- Phantom:モバイルの接続方法(アプリ内ブラウザ推奨)
※本記事は2025年10月29日時点の公式ドキュメント/主要開発ガイドに基づいてアップデートしています。
