アメリカの調査会社であるマーケッツアンドマーケッツ(MarketsandMarkets)は5月6日、NFT市場に関するレポートを発表した。同社は、このレポートの中で、世界のNFT市場規模が2022年の30億ドル(約4,000億円)から2027年には136億ドル(約1兆7,800億円)に成長すると予測している。
NFT市場の年間平均成長率は35.0%
今回のレポートの中でマーケッツアンドマーケッツは、NFT市場に関する2022年から2027年までの年間平均成長率(CAGR)を35.0%だと予測している。さらに、NFT市場の成長を後押しする要因として、著名人の影響力の増加、ゲーム業界の変革、デジタルアート作品に対する需要の緩やかながらも継続的な増加を挙げた。
ほかにも同社は、サプライチェーン管理、小売、ファッション業界などにおけるNFTのユースケースの増加、メタバース実現に向けた業界大手の取り組み、NFTのパーソナライゼーションなどの要因により、NFT市場のベンダーは有利な機会を得るだろうとも指摘している。
アジア太平洋地域が最も成長する見込み
今回のレポートの中では、アジア太平洋地域でのNFT市場の該当期間における年間平均成長率が高いと予測した。同社はこのように予測している理由を3つ挙げている。1つ目は、同地域ではNFTの開発や投資に関するグーグルでの検索が最も多いというデータだ。2つ目の理由として、中国とシンガポール、香港が、NFTに関する問い合わせの最も多い上位3カ国だと指摘している。最後の理由は、アジア太平洋諸国では、エコシステムにおいてクリエイターとバイヤーに平等な機会を与えるために、与えられた市場において絶え間ない開発とマーケットプレイスの立ち上げに向けて台頭していることだ。
そのほかにも同社は、NFTプラットフォームとして、マーケットプレイスの成長率が高いとも予想した。マーケットプレイスの代表的な存在として2017年に作成されたオープン・シー(OpenSea)を紹介している。オープン・シーでは、ユーザーがNFTをミントして取引すること、それらデータを閲覧すること、統計をチェックすることが可能だ。クリプトアートコレクションや、多くの人気ブロックチェーンゲームの膨大な数のアイテムが取り扱われている。
加えて同社は、NFTプラットフォーム成長の要因として、さまざまな組織が成長を拡大するためにNFTの領域に足を踏み入れているとも指摘した。米国の仮想通貨取引所であるコインベースは、NFTマーケットプレイスを立ち上げている。このような発展はNFT市場の成長に寄与すると、マーケッツアンドマーケッツは述べている。
参考
・Non-Fungible Tokens Market worth $13.6 billion by 2027
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