最大手仮想通貨ヘッジファンドのスリーアローズキャピタル(Three Arrows Capital)通称3ACは、ニューヨークで破産申請となるチャプター15を提出。スリーアローズキャピタルは6月29日に法人格のあるバージン諸島で債務整理命令を裁判所から受けており、破産処理が進んでいた。
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スリーアローズキャピタルが米国で破産申請
仮想通貨最大手ヘッジファンドであるスリーアローズキャピタルがニューヨーク州のマンハッタンで破産申請となるチャプター15を提出した。これによりスリーアローズキャピタルの破産は確実なものとなる。
スリーアローズキャピタルはシンガポールベースのヘッジファンドだが法人格はバージン諸島にあり、6月29日には現地裁判所で事実上の破産状態から債務整理を命じられていた。提出書類によると、今回の米国での3AC破産申請はスリーアローズキャピタルが有する米国仮想通貨取引所のFTXやブロックファイ(BlockFi)上、またはイーサリアム上の分散金融DeFiで運用している巨額の資産を債権者に差し押さえをされることを防止するためとなる。
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ボイジャーデジタルなどレンディング企業が債権者へ
スリーアローズキャピタルは多くの仮想通貨レンディング企業が平均で1,000億円近い資金を借入しており、借入先は同じく破産状態とされているセルシウスネットワーク(Celsius)、ブロックファイや入出金を停止しているボイジャーデジタル、バベルファイナンスなどだ。
この中でブロックファイ以外の仮想通貨ローンを提供するレンディング企業はすべて出金を停止しており、ビットコインやイーサリアム、ステーブルコインなどを預入て金利を得ていたユーザーは資産引き出しをすることができない。スリーアローズキャピタルが行ったチャプター15の破産申請は海外経由のものであるため、債務整理は29日の報道通りバージン諸島で行われるとみられる。従ってブロックファイやセルシウスはスリーアローズキャピタルの債権者となる。
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3ACが運用するDeFiポジションの懸念
スリーアローズキャピタルの破産の余波は仮想通貨レンディング企業だけにとどまらず、ビットコインやイーサリアム価格の下落懸念にもつながる。3ACは借り入れた資金や同ヘッジファンドが保有するビットコインやイーサリアムを担保にイーサリアム上でもドルを借入ており、3ACのアドレスとされているものでは約14万ETH日本円で200億円以上が担保として使用されている。
これらのETHやBTCはこれ以上のスリーアローズキャピタルの損失を防ぐために売却される可能性があるということだ。さらに運用しているDeFiでの報酬も現金化されるために売却されることを考慮すると、ビットコインやイーサリアムだけでなく仮想通貨全体に余波が広がる懸念がある。
スリーアローズキャピタルの破産に伴い、セルシウスなどの同様の運用を行っている仮想通貨レンディング企業の連鎖倒産懸念がより強まることになるだろう。
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