イーサリアム2.0、実現までの具体的な道のりは?

イーサリアム2.0のThe Merge(マージ)がもうすぐというのはすでにご存知の方が多いかと思います。どのようなタスクが残っていてどのように実行されるのでしょうか?今回はイーサリアム2.0までの道のりについて少し詳しく見ていきます。

2020年12月:ビーコンチェーンローンチ
2021年4月:ベルリンアップグレード
2021年5月:Rayonismハッカソン、Merge後のPoSプロトタイプ
2021年8月:ロンドンアップグレード
2021年10月:マルチクライアント相互運用イベントAmphora、アルタイルアップグレード
2022年第一四半期:Kintsugiテストネット
2022年第二四半期:いまここ!!Kilnテストネットとシャドーフォーク
日程未定:パブリックテストネットのフォーク、TTD( Total Terminal Difficulty)の発表、クライアントのリリース

The Mergeの前に必要なことは?

2022年4月の時点でETH2.0クライアントを開発してるチームは、それぞれ「The Merge」のための実装を進めており、新しいテストネットの立ち上げ、シャドーフォークなどによってテストされています。シャドーフォークによってクライアントの実装上の問題点が明らかになっており、現在修正と再テストが行われています。

シャドーフォークとは?

シャドーフォークとは、少数のノードで稼働しているネットワークをフォークして作られた新しい開発ネットワークのことです。シャドーフォークはメインネットと同じステートと履歴を保持しているので、メインネットワークからのトランザクションを再現することができます。「The Merge」の後にどのようにクライアントが作動するのかより現実に近い形のテストが可能です。

マージ発動のタイミングは何によって決まる?

テストネットが無事アップグレードを経て安定稼働するようになったら、イーサリアムのメインネットでアップグレードが行われる時間が設定されます。

これまでのイーサリアムのアップグレードではブロックの番号を基準に行われていましたが。今回の「The Merge」は難易度の合計値によってトリガーされます。これまでのやり方よりもいつ起きるかの推定が難しいため、「The Merge」の時間を決める時点とネットワーク上で実行されるまでの時間差は従来のイーサリアムのアップグレードよりも若干短くなる可能性があります。

また、メインネットアップグレードの前に完了すべきタスクのリストは、こちらにあります。

ディフィカルティボムとThe Mergeのスケジュールとの影響関係

ディフィカルティボムは、2022年5月頃にイーサリアムネットワーク上で影響が少しずつ分かるようになり始め、6月から7月にかけてブロックタイムに顕著に影響し、8月にはブロックが耐えられないほど遅くなる(15-20秒)ことが予想されています。

ブロックタイムが大幅に遅くなる前にクライアント開発者がThe Mergeをメインネットにデプロイできないと考えた場合、ディフィカルティボムを延期する必要があります。

ステーキングの引き出し

すでにETH2.0のステーキングに参加しているユーザーも多くいますが、現状はETHを出金するというアクションがまだできるようになっていません。「The Merge」を迎えた後、ステーキングしたETHは引き出し可能になるのでしょうか?

Withdrawalsは「The Merge」では有効にならず、その後に行われるアップグレードで有効になる予定です。「The Merge」の後にカペラ(ETH2.0関連のアップグレードには星の名前がつけられていてカペラはぎょしゃ座のα星の意味)というアップグレードが予定されておりここにバリデータの出金ができるようになる仕様が含まれています。

参照
現状の概要:https://notes.ethereum.org/@MarioHavel/merge-resources
ロードマップ:https://github.com/timbeiko/eth-roadmap-faq

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この記事はstakefishからコンテンツ協力を得て提供しています。stakefishは暗号資産ユーザー向けのステーキングサービスを提供しています。Ethereumをはじめとした様々なノード運用の実績を元にサービスを提供しており、ユーザーは秘密鍵を渡すことなくステーキングができます。stakefishによるステーキングサービスの詳細を知りたい方は是非下記のリンクをご参照ください。

参照:https://stake.fish/ja/

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