マイクロストラテジー(Microstrategy)社の創業者であるマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏は、ブルームバーグ(Bloomberg)のインタビューに対して、今後仮想通貨業界で展開する重大な変革について予測しました。
その変革とは、他の暗号資産(仮想通貨)が規制の壁に阻まれる一方で、ビットコイン(Bitcoin)が大躍進するというものです。
価格は10倍、ドミナンスは80%超え
セイラー氏はインタビューの中で、規制の透明性が追い風になり、将来的にアメリカの仮想通貨業界では、ビットコインが一段と存在感を増すと述べています。ここ最近の米証券取引委員会(SEC)による訴訟や声明を含め、仮想通貨に対する規制行動が、次のビットコイン強気市場を引き起こすという予測です。
さらにセイラー氏は、機関投資家の混乱や不安を取り除くためには、規制の透明性が重要であると述べ、規制当局は仮想通貨が証券に分類されることに疑念を抱いており、将来的には仮想通貨取引所がビットコインのように、純粋なデジタルコモディティのみを扱うことを求めていると指摘しました。
未登録証券を扱ったとして、SECがコインベース(Coinbase)を相手に起こした訴訟は、ビットコインを除いたトークンに対する規制取り締まりの先例となります。一方でSECはビットコインをコモディティに分類しており、他のステーブルコインやトークンが取り締まられると、ビットコインのドミナンスは全市場の80%を超えるだろうとセイラー氏は力説しています。
また彼は、ステーブルコインやトークンなどに対して規制当局の熱意が感じられない点を指摘し、それが仮想通貨業界の合理化につながると見ています。その上で彼は、ビットコインが唯一の機関投資家向け資産であり、デジタルコモディティとして世界中で認知されていることも強調しました。
セイラー氏はイーサリアム(Ethereum)については、ICO(新規仮想通貨公開)、先行マイニング、マネジメントチームなどの特性から証券の1つに分類しています。つまり彼が注目しているのはビットコインだけであり、その急激な成長の可能性と必然的な進歩によって、ビットコインの価値は今後10倍以上になると予測しているのです。
揺るぎないセイラー氏のビットコイン信仰
アメリカの仮想通貨業界で起きる大変革は、最終的にはビットコインの大繁栄で終息するというのがセイラー氏の思い描く未来です。業界は完全にビットコイン中心になり、わずかにPoWのトークンが生き残り、規制はビットコインだけに有利になると、彼は公式ツイッターでも述べています。
最近の市場変動にもかかわらず、マイクロストラテジー社の強気なビットコイン支持について、セイラー氏の信念は変わりません。イーサリアムなどのアルトコインが、より高い利益を生み出すという意見には耳も貸さず、ビットコインの比類なき可能性を強調しています。
彼はやがて世界が「ビットコインこそが次のビットコインだ」という事実に気づくと信じており、価格は10倍へと急激に成長することを予測しています。
マイクロストラテジー社は、ここ2年間仮想通貨ではビットコインだけに投資してきました。平均価格29,803ドル(約416万9,000円)で、これまでに14万BTCを購入し、長期的な投資資産として評価しています。
仮想通貨業界が強まる規制と調査に対応する中で、ビットコイン中心のセイラー氏の見解は、関係者の間でも論議を呼んでいます。今後も規制当局の役割と、仮想通貨の進化に関わる彼らの決断による影響が、業界の議論の主題になることは間違いないでしょう。
参考
・Michael Saylor Envisions Bitcoin-Exclusive Future For Crypto Industry Amid Regulatory Crackdown
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