ビットコイン(BTC)のマイニングプールによるカーボンゼロへの取り組み

ここ数年で一般層にも暗号資産に関する情報が広がり、多くの人にとって身近、少なくとも聞いたことはある程度にまでは認知されるようになったのではと思います。暗号資産をはじめ、DeFi(分散型金融)にNFT(非代替性トークン)などがどんどん身近になってきています。一方、まだ暗号資産に否定的な視線を向ける人たちもいます。暗号資産、特ににプルーフ・オ・ブワーク(PoW)を採用しているものに対して向けられる批判の一つとして「環境に悪い」が挙げられます。

確かにビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)はコンピューターで計算を行うマイナー達によって支えられており、それらのブロックチェーンの安定的な稼働に必要とされる電力は少なくはありません。

大手マイニングプールの一つF2poolは2021年からマイニングのカーボンフットプリント問題を解決するためのイニシアチブを立上げており、10月にニューヨークで開催されたイベントで活動についての発表が行われました。この記事ではプレゼンテーションの内容をまとめました。

暗号資産と環境問題

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こんな言葉があります。

「全ての木が枯れて、全ての川が汚染されて、最後の一匹を捕まえてしまった後に、ようやく人はお金を食べることはできないと気づくのだろうか。」

ビットコインは確実に新たな価値を生み出した素晴らしいものですが、そのせいで地球を破壊して人間が生きていけなくなっては本来の価値は発揮できません。

このひとコマ漫画を見たことがある方もいるかもしれません。
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「もう地球は破壊されちゃったけど、株主のために多くの価値を生み出した素晴らしい時期もあったんだよ」

目先の経済的利益を追ってステークホルダーを喜ばせることができたとしても、長期的にはその代償を払うことになってしまいます。

私たちは暗号資産に関わる一員として責任のある行動をしなければいけませんし、当事者意識を持って解決策を考える必要もあります。

もちろん、暗号資産は環境に悪いと一言で批判する人たちにも知ってもらわなければならないこともあります。たとえばマイニングと一口に言ってもより効率の良いエネルギーの使い方をしているなど全てのマイニング活動を一括りにもできない側面もあります。しかし、いずれにせよ自分たちから働きかけることが不可欠です。

テスラのイーロン・マスクだってマイニングに使われる電力の50%がクリーンエネルギー由来であると確認されるまで、ビットコインによる電気自動車の購入手続きを再開しないと発言しています。

暗号資産が排出するCO2の測定

マイニングに使われる電力を全て再生可能エネルギーに切り替えることができれば素晴らしいのですが、現段階ではできる範囲で再エネを利用し、それでも足りない分はカーボンクレジットを購入する対応を取っています。

マイニングやステーキングの問題に取り組むにあたって、これらの活動がどれくらいのCO2を排出しているのか測定する必要もあります。Regenネットワークなどがマイニングプールがどの程度 CO2を排出しているか測定するためのツールを提供してくれていますが、一体どのように排出量を計算するのでしょうか?

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例えばプルーフ・オ・ブワーク(PoW)のマイナーやマイニングプールの場合は、マイナーが存在する地域、その地域での電源構成、排出係数、マイニングやプールで使われているハードウエアなどを参考に算出します。

プルーフ・オブ・ステーク(PoS)もPoWに比べれば使う電力は少ないですが、電気は使用するのでバリデータの使うデータセンターの位置、クラウドインスタンスの数(vCPU)、vCPUがホストされている地域、クラウドプロバイダーのCO2排出状況、ノード運営にかかるオペレーション(飛行機での移動)などを参考に計算できます。

グリーンなコインでつくるマイナーへのインセンティブ

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私たちマイニングプールも現状に満足しているわけでも、何もしていないわけでもありません。これまでに韓国の有名アーティストと一緒に NFTを発行して、売上からカーボンクレジットの購入などもしています。またグリーン NFT のハッカソンを行ったりもしました。

それに加えて今年発足させたワーキンググループではマイナーに再エネの利用を促すインセンティブ設計を考案しています。

正直なところ、ビットコインのマイナーは分散性やエネルギーの問題などにはそこまでパッションを持ってないでしょう。彼らのインセンティブはマイニングに参加して利益を得ることです。マイナーが経済的インセンティブに沿って行動すればビットコインのネットワークに望ましい結果がもたらされる仕組みがビットコインを支えています。マイナーにポケットマネーでカーボンクレジットを購入してくれないかお願いするよりもインセンティブを作ることが鍵だと考えます。

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ワーキンググループでは、暗号資産がマイニングされたらそれを分割されたカーボンクレジットを表すトークンと紐づける仕組みを考案しました。

この図の一番上にあるマイニングプールと表記されているところからスタートし、マイニングされた資産、例えばビットコインをイーサリアム上でラップします。RenプロトコルのrBTCのようなものをイメージしてください。このラップされたイーサリアム上のビットコインをカーボンクレジットNFTと紐づけてグリーンなビットコインが出来上がります。ここではイーサリアム上のビットコインと分割化されたカーボンクレジットをNFTにしたものを「パッケージする」という表現を使っています。

すると、このビットコインはグリーンなビットコインとして送金やDeFiなどに使われることになり、もしかすると環境にやさしいビットコインを保有してESGゴールへの貢献に使われるかもしれませんし、このビットコインを利用して得られたイールドの一部が環境保護プロジェクトへと還元されることも想定できます。

将来さらに取り組みが進めば、カーボンニュートラルでなくカーボンネガティブつまり他の業界が生み出す二酸化炭素までもオフセットできるようになれば、今の暗号資産の今の立場が180度変わる可能性があります。

詳細は現在まとめている途中ですので、今後の展開にご注目ください。

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この記事はstakefishからコンテンツ協力を得て提供しています。stakefishは暗号資産ユーザー向けのステーキングサービスを提供しています。イーサリアム2.0をはじめとした様々なノード運用の実績を元にサービスを提供しており、ユーザーは秘密鍵を渡すことなくステーキングができます。stakefishによるステーキングサービスの詳細を知りたい方は是非下記のリンクをご参照ください。
■stakefish:https://stake.fish/ja/

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