Reddit創業者アレクシス・オハニアンが語るソラナの可能性【Solana Breakpoint レポート】

ポルトガルのリスボンで2021年11月7日から10日にかけて開催されたソラナ(Solana)のカンファレンス「Breakpoint(ブレークポイント)」で1億ドルの分散型ソーシャルコミュニティ構築のためのファンドが発表されました。

このファンドはソラナのラジ氏とReddit創業者の一人であるアレクシス・オハニアン氏の対談セッションで発表されたもので、アレクシス氏が創業したファンドであるセブンセブンシックスとSolana Ventureによる取り組みです。

以下、セッション中にアレクシス氏が語った内容の一部を要約します。

Redditの創業期

「私が2005年にRedditを始めた時はただの無知な大学生でした。インターネットのメッセージボードからインスピレーションを得てPHPのBBフォーラムを作りました。よい繋がりのあるインターネットの世界へ期待する気持ちから作りましたが、どうなるかは全く分かりませんでした」

「私が暗号資産を始めたきっかけも実はRedditで、2012年ごろにr/bitcoinを見てコミュニティがとても盛り上がっていることに気づきました。なので、今クリプトの存在感が増してとても嬉しく思います」

「私の今の仕事は次に大きくなるものを見つけて支援することです。この取り組みは私が16年前、Redditを作ったときにに持っていた野望、実現したかったけどできなかったことが可能になりそうだからです」

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Redditでやってきたことと、Web3の世界への繋がり

「Redditを立ち上げた頃、私はあまり良いWeb デザイナーでなかったと思うのですが、初期のインターフェースを見ていただくとカルマスコア(ポイントのようなもの)があるのに気づいていただけると思います。このポイント機能を使っていろんな人により良いコンテンツを投稿してもらいたいと思っていました。いいねを貰えば1ポイント貰えるシンプルな仕組みです」

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「私が初めて投稿した時は意地悪な共同創業者に評価を下げる投票をされたので-1カルマになってしましたが(笑)、インターネット上のポイントは人々が集まって質の高いコンテンツを作る後押しになるものだと思います。今は現実になりましたが、私はインターネット上で人々がコンテンツを作ったり共有したり、コメントすることになると言っても昔は誰も信じてくれませんでした」

「Redditの統計機能やランキングなどは当時最も重要な機能でした。投稿者の中に良いコンテンツを投稿してランキングのトップになりたいというモチベーションを持って参加する人がいて、それを後押しすることができたからです」

「カルマポイントを十分にためているユーザーが出てきてからはトロフィーやバッジのようなリワードも考えました。15年選手、バランスがとれてるで賞など色々あります。新しくユーザーになった人たちが初期ユーザーに追いつけないからと諦めてしまわないように導入したものです。ゲームで最下位になっても何かしら賞が貰えて楽しめるような仕組みも大切だと思いました」

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「今では自己紹介をするときにユーザーネームや国籍ではなく『私は reddit 歴12年です』という風に自分がオンライン上で残した実績をもとに自己紹介する人たちが出てきてくれています」

「私がWeb3に関して期待している理由は、今クリプトで起きていることは私がRedditでやってきた事と同じようなメカニズムだけれども、さらにそこに所有権や価値が加わっているからです」

「創業期に販売したReddit のロゴがついたTシャツについても思い出します。当時はネットで知らない人にものを売ってお金を稼ぐのが今ほど気軽ではありませんでしたが、寝室いっぱいのTシャツを1日にして全部売り切ることができました。そして、私は自分の作っているプロダクトのロゴがついた T シャツを着て仲間であることを示してくれる人がいることに承認や誇りを感じました」

「最近ではプロフィール画像NFTの領域で似たような事が起きていると思います。同じコレクティブルシリーズのNFTをアイコンに設定しているだけで、なんとなく仲間同士であることが共有できたりしますよね。もしRedditの初期のロゴ付きTシャツを持っている人がいたら、今ならオンラインで数ドルで売ったりすることができるかもしれませんが、NFTのプロジェクトはもっと価値がついて、さらに所有者はアーリーアダプターであることを証明することができるものだと思います」

「さらに最近ではプラットフォームが登場してから普及するまでにかかる時間もどんどん短くなっています。2015年にはRedditのゲーミングコミュニティが盛り上がっていましたが今では Discordを使ってリアルタイムで話す人が一気に増えており、プロダクトが流行るまでのサイクルがどんどん短くなっています」

未来を良くする実験の場としてのクリプト

セッションの質疑応答では、「既存のソーシャルメディアは政治的なテーマにも影響を与える事は知られている通りですが、人々のSNS上での行動と政治的なムーブメントがWeb3版のソーシャルメディア上で繋るとき、どのようなポジティブな影響を与えられるかという観点で考えていることはありますか?」という質問に対して、オハニアン氏は「クリプトの世界でのガバナンスにとても興味があります」と回答。

「Web 3の良い点は自分たちがどうやってよりよい制度を作ることができるか考えるきっかけになることだと思います。私たちは色々なシステムを構築し直す必要があります。民主主義のあり方からアートに至るまで、私はとにかく今よりもいいものが欲しいと思っており、とても期待しています」と述べました。

この記事ではセッションの内容を要約しています。スライド、スピーチを含むこのセッションの全ての内容は下記のリンクから視聴可能です。

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