【Solana Breakpoint レポート】クリエイターエコノミーの未来

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ポルトガルのリスボンで11月7日~10日にかけて開催されたソラナ(Solana)の「Breakpoint」カンファレンス。この記事ではテック分野での起業家として活躍するナイジェル・エクルズ(Nigel Eccles)氏によるプレゼンテーション「Solanaのクリエイターエコノミーの未来」とプレゼンテーション当日にローンチしたアプリ「Vault」について紹介します。

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爆発的に増加するクリエイターの数

20年以上コンシューマ向けのアプリケーションに取り組んできたEccles氏は、今後5年クリエイティブ領域で起こることにとても期待していると述べています。彼の息子が最近サモエドコインを購入し、ペイパルやベンモの口座も持っていないまだ14歳の子供にでもブロックチェーンを通して簡単に世界のどこかにいる相手に対してお金を送る体験ができたことに言及しました。

「コンシューマーを動かすのはクリエイターたちです。今日クリエイターの数は爆発的に増加しておりWeb2には5,000万人の新しいクリエイターがいます。でも彼らの中の多くはあまりハッピーではないようです。コンテンツを作り続けたりSEOに対応し続けたりするのに疲れたと感じる人がとても多いようです。」

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NFTにはまだまだ伸びしろがある

例の一つとしてミシェル・ファン氏が挙げられます。ファン氏はまだインフルエンサーという肩書が広まる前の頃から美容系YouTuberとして一躍スターに上り詰めたカリスマ的人物です。しかし彼女はある日突然姿を消し、SNSでの更新が全て止まってしまいました。フォロワーたちからは亡くなってしまったのではないかと噂をされていましたが、姿を消してから2年後、何故いなくなったのかについてYouTubeで語る動画を公開しました。

この動画の中では、YouTubeがまだお金を稼げるプラットフォームではなかった時代にメイク動画をアップし人気を集め、マネタイズ可能になってからは自分のやりたいことをやりながら、裕福ではなかった家族の生活を支え成功を手にすることができたストーリーについて語られています。しかしその反面「私は最初の頃は夢をみていただけですが、気が付けば自分自身がプロダクトになってしまい、その後は笑顔でただ売ることに追われ続けました」と、ビジネスとクリエイティブな活動の両立の難しさや影響力を利用しようとする人達とのトラブルなどについて言及されています。

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Eccles氏はWeb2 にはクリエイティブなプロセスに合わないという意見を述べ、クリエイティブのプロセスというのは常にコンテンツをプッシュし続けることではなく、アイデアを試したり、考える時間を持つことができてこそ健全なクリエイティブ活動ができると話します。その点NFTではほとんどの売上金がクリエイターの手元に残り、創作活動に時間を使えるためより相性が良いと続けています。

さらに、「(NFTは)まだ初期段階だと言われていますがどの程度初期なのか他のプラットフォームと比べてみてみましょう。YouTubeの月間アクティブユーザーは33億、Instagramは14億、tiktokは10億、Pinterestは5億、Twitterは4億。これに比べてNFTマーケットプレイスのオープンシーはたったの300万です」と、いかにまだ伸びしろがあるかを強調しています。

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2次流通で価格が下落するNFT

問題点として有名アーティストが高額でNFTのセールに成功しても、2次流通を経て価格が大きく下がってしまっているケースを挙げています。例えばGrimesというアーティストは、2月に NIFTY Gatewayで7,500ドルでNFTが売れましたが、直近の取り引きでは1200ドルと価格が価格が84%落ちています。スティーブアオキ氏が発行したNFTの価格は60%落ちています。

まともなクリエイターによる取り組みであるにもかかわらず、このような下落が起きてしまうことについてEccles氏は、ファンが求めるコンテンツやクリエイターが普段創作活動を行う媒体とNFTがマッチしていないからだと述べています。

例えば6,000万人いるのスティーブアオキ氏のフォロワーは彼の音楽が好きでフォローしてると考えられますが、NFTは特段音楽向けに作られているわけではありません。

そこでEccles氏は、プロダクト「Vault」を開発するに至りました。このVaultプラットフォームからNFTを発行すると、そのNFTがコンテンツにアクセスするためのカギとなって中のビデオや音楽へのアクセス楽しむことができます。

例えば好きなバンドの海外ツアーに行けないけど、コンサートや舞台裏の特別動画を見たいというファンのために、アーティストはNFTを販売してすることができます。ユーザーはスマホのアプリから簡単にコンテンツへアクセスすることができ、好きな時にライブの動画を見たりすることができる、と会場でデモを行いました。

スライド、スピーチを含むこのセッションの全ての内容は下記のリンクから視聴可能です。

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