分散型金融(DeFi)で注目が集まるRaydiumとは?

レイディウム(Raydium)という分散型取引所(DEX)が今、注目を集めています。Raydiumは秒間5万トランザクションを処理できることでも知られるソラナ(Solana)ブロックチェーン上に構築されていて、分散型取引所の中でもAMMという形式を採用しています。

今回はこのRaydiumについて知っておきたい基礎知識をまとめます。

【公式サイト】https://raydium.io/

従来のDeFiがかかえる3つの問題点

DeFiの人気の高さは読者の皆様もご存じの通りだとは思いますが、実際に使うとなると主に次のような点が問題点として挙げられています。

手数料(ガス代)がとても高い

ガス代の価格が跳ね上がってしまうことによって利益が減少してしまったりなかなかトランザクションが実行できなくなり機会を損失してしまったりすることが起こっています。一般ユーザーにとってDeFiは参加しにくいものになりつつあります。

マーケットが分散されている

イーサリアム(Ethereum)上のAMMの性質上、流動性は断片化されており、あるプロトコル上の流動性プールは他のプロトコル上の流動性プールとは隔絶されています。プール間で集約する中央のオーダーブックがなければ、AMMによる流動性の競争は激しく、ユーザーは他のプラットフォームに保有されている流動性から利益を得られません。これは、ETH2やポルカドット(Polkadot)のようなシャードベースのブロックチェーンにも当てはまるでしょう。

機能が限定されている

中央集権型の取引所では当たり前に備わっている機能例えばリミットオーダーなどは、イーサリアム上の DEXではトランザクションスピードや高いガス代のせいで効果的に実装しづらくなっています。

参照:The Raydium Protocol ?

Raydiumが提案する解決策とは

「より安くより速く」Solana(ソラナ)ブロックチェーンを採用

「高速な処理ができるブロックチェーン」と表現されるプロジェクトは他にも複数存在しますが、その多くが秒間50-100トランザクションです。Raydiumで採用されているSolanaの場合は、秒間で5万トランザクションを実行できる点でゲームチェンジャーだと期待されます。Solanaはシャーディングやレイヤー2を一切使用せずに単一のレイヤー1として高速なトランザクション性能を実現しています。

【ソラナについてもっと知る】
ソラナ(Solana)とは?秒間5万トランザクションを処理できるブロックチェーン

Serum(セラム)との接続

Raydiumは同じくSolana上に構築されたDEXであるSerumのオーダーブックにオンチェーンの流動性を提供しており、RaydiumによってSerumエコシステム全体の注文フローと流動性へのアクセスが可能になります。

トレードインターフェイス

TradingViewチャートの閲覧、指値注文の設定、取引のコントロール性を高めたいトレーダー向けの機能があります。

Raudiumの今後のロードマップは?

Raydiumチームは、クリプトカレンシーと伝統的な市場を横断したマーケットメイキング、アービトラージ、高頻度取引を合わせて20年以上の経験を持っています。チームは2020年夏にRaydiumの構築を開始し、下記のようなロードマップで動いています。

2020年第四四半期
・アイデア練りとプロジェクトスコープの決定
・プロトコルの開発とテストネット上でのイテレーション

2021年第一四半期 ←いまここ!
・メインネットがスタート
・ウェブサイトとプラットフォームの立ち上げ
・クロスチェーンスワップの開発

2021年第二四半期
・他のプロトコルと連携した新しいマーケットメイキングモデルと機能の研究

2021年第三四半期
・外部のオラクルを活用したマーケットメイキングの改善
・パートナーと連携したガバナンスモデルの構想

まとめ

イーサリアム以外のブロックチェーン上のDeFiプロジェクトが本格的に使われ始めていますが、Solana上のDeFiではブロックチェーンの性能をいかしつつSerumを起点にDeFiエコシステムが広がっています。今後どのような発展を見せてくれるのかに期待できる領域です。

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