日本円のステーブルコインであるJPYCとその使い方を紹介します。JPYCとは前払式支払手段として扱われる日本円に連動したコインです。元々は事業者に提供されていたICBという名称のステーブルコイン から一般ユーザー向けのものとして展開されています。
- ウェブサイト:https://jpyc.jp/
- ホワイトペーパー:https://jpyc.jp/white-paper.pdf
- アプリサイト:https://app.jpyc.jp/
日本円ステーブルコインJPYの仕組み
JPYCは前払式支払手段扱いで基本的には1JPYC=1円となります。もしもDEX(分散型取引所)などで1JPYCの価格が1円を下回って取引されるようになってしまった場合、発行体が供託金増やすことでマーケットでの価格上昇すなわち1円に近づけることを試みます。
逆に1JPYCが1円以上の価格で取引されている場合は発行体が公式サイトから1JPYC=1円で売却を続けるます。これにより、分散型取引所で購入するよりも公式サイトを使った方が適正な価格でJPYCを取得できるようになるため分散型取引所での価格も落ち着くはずだというメカニズムになっています。
仮に発行者が業務を廃止することがあれば、1JPYC=1円で払い戻しを受けることができ、万が一発行体が破産した場合でも発行体にお金が残っていれば破産手続きの中で利用者に弁済する手続きが取られるようになっています。
JPYCはERC20トークンで発行されていますが、ポリゴンネットワークやxDAIなどのネットワークにも対応しています。イーサリアムではガス代が高騰していることが多いためポリゴンなどを使えば各段に安い手数料で送金することが可能です。
JPYCはどこで入手できるのか
JPYCは公式サイトで販売されており、ここで日本円を銀行振込みするかETHを送金することでJPYCは入手できます。
もしもJPYCの価格が1円ピッタリではないタイミングを狙って安く仕入れるチャンスを狙うのであれば、DEXを使うことができます。ユニスワップ(Uniswap)でも使えますが、ポリゴンに対応しているところであればクイックスワップQuickSwapやスシスワップ(SushiSwap)などが挙げられます。DEXで交換するトークンリストの中にJPYCがない場合は下記から対応したネットワークのコントラクトアドレスを選択して個別に追加すれば表示されます。
JPYCは何に使えるのか?
JPYCはDeFi(分散型金融)などでも使えるようですが、主な利用例としてはAmazonでの代理購入が挙げられます(現段階では Amazon でプライムマークが付いた商品のみ対応)。このほかにも今後ふるさと納税にJPYCを使う事が可能になるようです。
もしも分散型取引所で1JPYCが0.9円で売られていたとしたら、安くなったJPYCを手持ちの暗号資産で購入して、さらにそのJPYCで Amazon でのお買い物をすると少しお得に買い物ができるようになるケースも考えられます。
出典:JPYC App
実際にJPYCを使って Amazon で買い物をするにはまず JPYC のサービスサイトにアクセスしてフォームから Amazon のほしい商品の URLを入力します。欲しい商品の税込価格、
名前、住所、メールアドレス、そしてどのネットワーク(イーサリアム、ポリゴン、xDAI)のJPYC を使って支払うかを入力します。最後に自分のイーサリアムのウォレットのアドレスを入力してフォームを送信します。
それが済んだら指定のイーサリアムのアドレスにJPYCを送付し完了JPYCの運営側が着金を確認した後に指定の住所に商品が送付されます。
まとめ
ドルとペッグしたステーブルコインはたくさんありますが、JPYCは数少ない日本円連動型のトークンです。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)では価格変動が大きくて決済には使いにくく、日本円のステーブルコインを使って何か買う体験をしてみたいという人は、JPYCの仕組みとリスクを理解した上で使ってみるのもよいのではないでしょうか。