【墨汁速報】バイナンス使途不明金535億円をUS法人からCEOの会社へ密かに送金=リーク

仮想通貨取引所最大手のバイナンスの米国法人であるバイナンスUS(Binance US)は20220年末から2021年にかけて4億ドル(535億円)を同社のCEO、チャンポン・ジャオ氏(Changpeng Zhao)氏がコントロールする”メリット・ピーク(Merit Peak Ltd)”という法人にシルバーゲートバンク(Silvergate Bank)を介して送金していたことがバイナンスUSの内部やり取りで発覚。顧客資産を使用していたかは不明だが、チャンポン・ジャオ氏が米仮想通貨取引所の銀行アカウントにアクセスできていたということになる。

関連記事:【墨汁速報】米規制当局の仮想通貨最大手バイナンスへの調査は罰金支払いで和解か=報道

バイナンスUSから使途不明金がCZの会社へ送金

銀行履歴とバイナンスの内部やり取りによると、バイナンスグローバルのCEO、チャンポン・ジャオ氏(Changpeng Zhao)氏が管理する”メリット・ピーク(Merit Peak Ltd)”という法人にバイナンスグローバルとは切り離された独立法人である米仮想通貨取引所”バイナンスUS(Binance US)”から4億ドル(535億円)の使途不明金を送金していたという。

バイナンスUSは2021年9月から12月にかけて535億円以上の送金を同社のシルバーゲート銀行のアカウントから複数回にわけて送金。同社の利用規約によると顧客資産のドルはシルバーゲート銀行とネバダを拠点とするカストディアンのプライムトラスト社(Prime Trust LLC)に保管されている。送金理由は不明となっており、バイナンスUSの顧客資産も含まれているかは現時点では判明していない。

またバイナンスUSのCEOは巨額の送金が行われたにも関わらず、このことを知らなかったという。

関連記事:【墨汁速報】最大手仮想通貨取引所「バイナンス」の問題か?ステーブルコイン”BUSD”の新規発行を停止

バイナンス内部のやり取りで判明

2020年当時、バイナンスUSのCEOはキャサリン・コーリー(Catherine Coley)氏が努めていた。2020年末、コーリー氏は財務責任者スーザン・リー(Susan Li)氏に対してこの巨額の使途不明金の送金に対して説明を求めており、

「予期せぬ出来事であり、誰も指摘しなかった。どこからこの資金が来たのか?」

とバイナンス社内でメッセージを送信していたという。

リー氏はこの送金について説明はしなかったものの、メリット・ピーク社は「バイナンスUSの取引を促進するベンダー」として説明、同社に対してのローンと資金投入があることを説明したという。コーリー氏は2021年末にバイナンスUSを離れており、この件についての回答はなかった。

一方でバイナンスUSの広報、キンバリー・ソード(Kimberly Soward)氏は

「メリット・ピーク社はバイナンスUSプラットフォームにおける売買やサービス提供に関連するものではない」

と否定。

さらにバイナンスUSの銀行アカウントへのアクセスは社員しかできないと表明している。

関連記事:【墨汁速報】FTXの顧客資産使い込みか?アラメダの損失を支えるため5848億円の仮想通貨等を送金

メリット・ピーク社はCZが管理

バイナンスUSの内部やり取りによると、メリット・ピーク社はバイナンスグローバルのCEO、CZことチャンポン・ジャオ氏が管理するトレーディングファームであるという。この使途不明金の巨額送金を知るという人物によると、メリット・ピーク社がどのようにして行われたかが不明だという。

というのもバイナンスUSの顧客オーダーをマッチするソフトウェアはバイナンスグローバルによるライセンス使用の契約が凍結されており、中身は「ブラックボックス」となっていると元社員は述べて、どのように機能するかがわからないという。

一方で2020年12月にバイナンスUSにSECから発行された召喚状によると、メリットピーク社はバイナンスグローバルに関連する企業とされている。同社は2019年1月にバージン諸島で設立、チャンポン・ジャオ氏が買収を行っている。同契約書によると100万ドル(1.34億円)をバイナンスUSの運営であるBAMトレーディングに投資を行い、優先株の一部をリターンとして得るとされている。この契約書によるとチャンポン・ジャオ氏は”経営者”として記載されている。

巨額送金に数多くの疑問が浮上

また内部やり取りによるとバイナンスUSは仮想通貨ビジネスを行うシルバーゲート銀行のネットワークに2020年11月に参加、最低デポジットとして500万ドルを必要としており、メリット・ピーク社がバイナンスUSのSENアカウントに捻出。バイナンスUSからの使途不明金の巨額送金はこの直後から開始されたという。

12月23日に”巨額引出しの検知”としてメリット・ピーク社が7500万ドルをバイナンスUSのアカウントから送金され、バイナンスUS社員は引出しであると認識したとやり取りがされており、バイナンスグローバル(Binance.com)の社員が実行したとされている。この時点でコーリー氏は「送金が予期せぬ出来事だ」と述べており、バイナンスUSのSENアカウントの1日の引出し制限額である1000万ドルを迎え、2000万ドルまで制限を引き上げたという。

コーリー氏はその後も回答を求めたが内部やり取りでは説明されることなく、最終的に通話における説明となったとされている。この巨額の送金後の2021年4月、突如コーリー氏はCEOからの退任となっており、多くの疑問が残ると言えるだろう。全ての関係者や企業はコメントを否定しており、メリット・ピーク社の思惑は不明となっている。

 

関連記事:【墨汁速報】米クラーケンが仮想通貨ステーキングサービス終了と罰金支払いでSECと和解

▼墨汁サロンでは投資家向けに知られていないDeFiやNFTのセキュリティ対策、イーサリアム2.0の仕組みや技術、マージ対応の32ETHステーキングのやり方の解説や検証、テクニカル分析理論、ファンダメンタルなどをより深く解説しています。

墨汁バナー

墨汁うまいと学ぶ仮想通貨の世界

おすすめの記事
【墨汁速報】トランプ政権 仮想通貨を専門とするホワイトハウスの役職を検討=リーク
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】トランプ政権 仮想通貨を専門とするホワイトハウスの役職を検討=リーク
リークによると次期大統領となるトランプ政権は米国史上初となる仮想通貨(暗号資産)専門の役職を検討しており、候補となる人物を複数人選出しようとしているという。ドナルド・トランプ氏は「プロ仮想通貨派」として知られており、2021年末には自身のNFTを発行してイーサリアム(ETH)を保有していることで知られている。