【墨汁速報】NY規制当局「ETHは証券」として米仮想通貨取引所クーコイン(KuCoin)を訴える

ニューヨーク規制当局は仮想通貨取引所のクーコイン(KuCoin)を「未登録の証券」を販売したとして訴えた。クーコインに対する訴状によると仮想通貨(暗号資産)であるイーサリアムのETH、2022年に一夜にして無価値になったテラ(Terra)ネットワークのLUNAとUSTが証券であるという。

関連記事:【墨汁速報】米クラーケンが仮想通貨ステーキングサービス終了と罰金支払いでSECと和解

NY州法で「ETHは証券」

ニューヨーク州検事総長は日本時間10日早朝、ニューヨークを拠点とする米仮想通貨取引所「クーコイン(KuCoin)」を未登録の証券を販売した疑いで訴えた。

クーコインに対する訴状によるとニューヨーク州において「イーサリアム(ETH)」「LUNA」「UST」を販売したとしており、これらのトークンはニューヨーク州における一般ビジネス法のマーチン・アクト(Mertin Act)に基づいてコモディティ及び証券であるとしている。

LUNAは2022年に一夜にして暴落して無価値となったテラフォームラボ(Terraform Lab)が開発していたテラ(Terra)の仮想通貨であり、USTはテラで発行できた1ドルの価値を持つアルゴリズミック・ステーブルコインの1つだ。

クーコインはこれらの仮想通貨を未登録の状態でニューヨークにて販売しており、ETHやLUNAはマーチン・アクトにおいて証券であり、コモディティとしても当てはまるとしている。

関連記事:【墨汁速報】ビットコイン急落 仮想通貨のインフラを支えるシルバーゲート銀行が破産警戒

KuCoinEarnは証券

またクーコインに対する訴状ではETHやLUNAなどの仮想通貨を未登録の証券を販売しただけでなく、預けることで金利を得ることができる「KuCoinEarn」がプロダクトとして証券に当たるとも指摘している。

クーコインはテザー社が発行し、ドルにペッグするとされているステーブルコインの1つである「USDT」をKuCoinEarnにて年間3.8%の金利で提供していた。訴状によるとクーコインは投資家に対してKuCoinEarnを使用することで”定額所得を得ることができる”とし、プロモーションをしており、これらにレンディングの他にもステーキングが含まれていた。

訴状によるとKuCoinEarnで提供される金利や配当はクーコインによって管理手数料を任意に調整されていたことから、証券であると結論付けている。

狙われるステーキングサービス

同じく米国仮想通貨取引所のクラーケン(Kraken)はイーサリアムなどのステーキングサービスを提供していたものの、米証券取引委員会(SEC)により「ステーキングサービスは証券」として罰金の支払いとステーキングサービス終了で和解をしている。

これらのことを考慮するとニューヨーク州規制当局がクーコインの同様のプロダクトを「証券」と定義するのに十分な根拠があると言えるだろう。米最大手仮想通貨取引所のコインベース(Coinbase)は「仕組みが違う」と弁明していたが、訴状の内容を見るに手数料を仮想通貨取引所が収益として得ている時点でクラーケンやクーコイン同様に証券認定されることになってしまう。

シルバーゲート銀行の破産疑惑やステーキングサービスの規制、ステーブルコインの証券疑いなどFTX破綻後の規制強化はより加速していくことになるだろう。

関連記事:仮想通貨の未来にはバイナンス帝国陥落は必要か?

▼墨汁サロンでは投資家向けに知られていないDeFiやNFTのセキュリティ対策、イーサリアム2.0の仕組みや技術、マージ対応の32ETHステーキングのやり方の解説や検証、テクニカル分析理論、ファンダメンタルなどをより深く解説しています。

墨汁バナー

墨汁うまいと学ぶ仮想通貨の世界

おすすめの記事
【墨汁速報】 VISA イーサリアム上のドル“USDC”を利用した決済の社会実験を開始
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】 VISA イーサリアム上のドル“USDC”を利用した決済の社会実験を開始
クレジットカード世界最大手のVISA Incは自社の支払いネットワークにおいて、イーサリアム上のドル「USDC」を決済に使用することができる社会実験を開始したと発表。USDCはステーブルコインと呼ばれるイーサリアム上でドルと1:1に発行されるトークンであり、DeFi(非中央集権金融)の重要な要である。
ビットコイン(BTC)強気市場突入のきざし、チャートに現れたゴールデンクロスに注目
仮想通貨ニュース
ビットコイン(BTC)強気市場突入のきざし、チャートに現れたゴールデンクロスに注目
ビットコイン(BTC)の50日移動平均線が200日移動平均線を上回り、特徴的な強気パターンを形成しました。インドのブロックチェーン・AIスタートアップのジャービス・ラボによれば、「ゴールデンクロス」として知られるこのパターンが登場すると、数ヶ月後に市場は強気に突入するということです。
【墨汁速報】イーサリアムとソラナ(SOL)のブリッジWormhole損失補填にHOLEトークンを機関投資家に売却か
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】イーサリアムとソラナ(SOL)のブリッジWormhole損失補填にHOLEトークンを機関投資家に売却か
2月にハッキングを受けて12万ETH(約450億円)以上の被害を受けたイーサリアムとソラナ(SOL)のブリッジプロジェクトである「ワームホール(Wormhole)」は、その損失の補填として約245億円を調達するためHOLEトークンを機関投資家向けにプライベートセールを行うというリークがあった