オーシャンプロトコルが自動車業界向けエコシステム「Catena-X」に参加

オーシャンプロトコル(Ocean Protocol)は5月20日、創設組織であるビッグチェーン(BigchainDB)をはじめ、ボッシュ(BOSCH)とフィッチエーアイ(Fetch.ai)ともに「Catena-X」という自動車業界向けエコシステムに参加したことを発表した。

欧州自動車業界におけるデータインフラ開発に貢献

Catena-Xの目的は、自動車産業のバリューチェーン全体で統一されたデータの流れを作ることだ。参加している全ての企業が、自動車業界における安全で企業間の情報およびデータ交換のための、オープンでスケーラブルなネットワークを確立するために取り組んでいる。

自動車をはじめとするエンジニア企業であるBOSCH、分散型ブロックチェーンデータベースのBigchainDB、分散型のAIネットワークを構築するFetch.aiがCatena-Xに参加。それぞれの企業の役割としては、BOSCHが自動車業界に関する幅広い専門知識を提供する。Fetch.aiは、マルチエージェントシステム、人工知能、高度な暗号技術、分散型機械学習に関する専門知識をCatena-Xネットワークにもたらす予定だ。

データを保護しながらクリエイターに力を与えることを目指すBigchainDBは、Web 3.0やトークンベースのエコシステムの実装に関する専門知識と、オープンソースコミュニティの構築に関する経験をプロジェクトに提供する。今回BigchainDBは、オーシャンプロトコルを代表してCatena-Xに参加することになる。

オーシャンプロトコルは、Catena-Xネットワークのインセンティブメカニズムと持続可能な分散型ビジネスモデルの開発を担当するチームに関わる予定。効率性と安全性、信頼性を優先した欧州のデータインフラ標準の開発に貢献していくという。

自動車産業は、デジタルな未来へとシフトしている

BigchainDBの創設者であるトレント・マコナヒー(Trent McConaghy)氏は今回の発表に関して、「自動車産業は、デジタルな未来へとシフトしている。デジタル経済とはデータ経済のことだ。BigchainDBでは、この新しいデータ経済の中で、組織が持続可能なビジネスモデルを構築できるよう支援することを目指している」と述べている。

また、同氏は、「トークンベースのエコシステムと分散型ビジネスモデルの開発における長年の経験を活かして、Catena-Xに貢献できることを誇りに思う。自動車業界のリーディングカンパニーと協力することで、Catena-Xがヨーロッパの環境にインパクトのある持続的な変化をもたらすことを期待している」と語った。

ボッシュ・リサーチ社で 、「EoT(Economy of Things)」のプロジェクト・ディレクターを務めるニック・シャルマン(Nik Scharmann)博士は、「多くの強力なパートナーがCatena-Xを導入することで、欧州の自動車産業に競争力のあるデータエコシステムを迅速に構築することができる」とコメント。Fetch.aiのマリア・ミナリコヴァ(Maria Minaricova)氏は、「Catena-Xは、新しいデータドリブンなビジネスモデルを可能にするため情報のデジタル交換を優先するよう機能する自動車業界の進化を表している」と語っている。

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